自分で交換できないファンがあるので要注意

パソコンの内部は空気によって冷やす空冷方式が一般的です。
この空冷には冷却ファンを使用して、ケースの内部にエアフロー(空気の流れ)を作り外の冷たい外気をいれ、内部の熱を排出します。

また、CPUクーラーやGPUクーラー、電源などの発熱の大きいパーツにはそれぞれファンが取り付けられています。

これらのファンによってパソコン内部は冷却されているのです。

ファンの基本構造はモーターで羽を回転させる構造で、ファンに電気が流れるとモーターが回転し羽が回ります、このため、もっとも単純なファンは+と-の2極で電気が流れる構造です、マザーボードに接続するファンは、この他に、回転数を表示するピンと回転数を制御するピンを備えていることもあります。

ファンの故障は、モーターが故障するか、羽の回転軸の故障です。
モーターが故障すると回転しなくなり、回転軸が故障すると回転しなくなったり、軸がぶれて振動や異音が発生します。

ファンが故障して停止すると、当然その部分はエアフローがなくなり、熱が溜まっていきます。
熱はパソコンの故障の原因の大元となるのでファンの故障を放置していると他の部分も故障していく恐れがあります。

■ファンの種類

ファンには大きさ、回転数、接続するピンの形などが違います。
また、軸にも種類があり、高級な流体軸受だと静音性と耐久性が向上しています。

LED搭載などでドレスアップパーツとしての意味合いもあり、その製品は多岐にわたります。

大きさは、厚みとファンの口径で、これが合っていないと交換できません、ただし、元から付いたファンより大きい口径のものも取り付けられる場合もあり、それはネジ穴の位置や内部の広さにもよります。

回転数は口径により大きく異なりますが、基本的には速いほど冷却能力は高くなり、その分消費電力が高く騒音も大きくなります。

ピンの形は一般的なのが、マザーボードの3ピンとペリフェラル4ピンの両対応、変換コネクタで対応しているものもあります。
安価なものだとペリフェラル4ピンのみの製品もあります。

回転数を制御できるPWMファンはマザーボードの4ピンに接続するものになります、マザーボードの3ピンに接続することもできますが、その場合は回転数の制御はできません。

基本的にはこれらの中で交換に適したものを選ぶことになります。
静音性や冷却性の向上を目指して、元から付いてたものと違う製品を選ぶのも悪くないでしょう。

■交換が困難な場合も

ケースファンは基本的には容易に交換できますが、CPUファンやGPUファン、電源のファンやノートパソコンのファンなどは既製品では交換できない場合があります。

CPUファンやGPUファンが壊れたときは、それぞれクーラーごと取り替えることをオススメします、市販されているCPUクーラーにはファンが交換可能なものもあるので、次はそういった製品を選ぶのも悪くないでしょう。

電源のファンは交換するには電源を分解しなくてはなりません、電源は分解するには危険が多いので、ファンの止まった電源は素直に交換したほうが安全です。

ノートパソコンのファンはかなり交換が難しいので、修理に出した方が無難です。
もし、自力で交換しようと思うのならば、完全に壊れてもいいというのでなければ手をださないようにしましょう。
ノートパソコンのファンは専用設計になっている場合も多く、市販品を交換に使おうと思うと電源ケーブルの加工などをしなくてはならない場合も多く、かなりの難易度になります。

■ファンの交換

ファンの交換のポイントはファンの向きです。
風を起こすファンは、一定の方向に空気の流れを発生させるため、ファンにも向きがあります。

逆に付けてしまうと空気の流れがおかしくなるので、向きは確認しましょう。
市販されているファンには空気の流れを示す印がついているので確認しながら取り付けてください。

ファンの固定にはネジが4本、ファンの接続は電源からでているペリフェラル4ピンかマザーボードに取り付けることになります。
マザーボードに取り付けた方が、回転数を見れたり制御できたりするので、マザーボードのファンの取り付け端子が空いているのであれば、そちらに取り付けましょう。

CPUのファンだけはマザーボード上に専用の端子があります。
CPUの温度に対して回転数の制御など行うため専用の端子にとりつける必要があります。
CPUクーラーが付いていないと起動できない製品もあります、ファンを取り替えたあとパソコンが起動しなくなった場合は、きちんと取り付けられているか確認しましょう。

これらの交換が済んだあとはケースを閉じる前に動作の確認です、一度パソコンを起動して、ちゃんと交換したファンが回っているか、ファンの向きは間違いないかの確認を忘れずに行うようにしましょう。

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