CPUクーラーを交換するとパソコンの音がうるさくなくなる?

CPUクーラーは文字通りCPUを冷却するパーツです。
一般的なものは金属製のヒートシンク(放熱板)にファンを組み合わせた空冷クーラーです。

空冷のCPUクーラーには上からファンを取り付けるトップフローと、横からファンを取り付けるサイドフローがあります。
トップフローは上から風を送り込むので、そのままマザーボード上の回路も冷却できるという利点があり、サイドフローはトップフローに比べてCPUの冷却能力が高い傾向にあります。
最近のPCケースであれば、安価なものでもしっかりとエアフローが考えられていて冷却にも余裕があるため、どちらを選んでも問題ないでしょう。

■ヒートシンクとファンの特徴

ヒートシンクが大きくなるほど冷却効率が上がり、ファンの風量が多いほど冷却しやすくなります。
より冷却効率を上げるためにヒートパイプを利用して熱の移動を効率的にした製品もあり、高性能なCPUクーラーはほぼヒートパイプが使用されています。

ヒートシンクやヒートパイプの素材では熱伝導率の高いアルミニウムと銅が使用されており、アルミは軽いため面積を広げやすく、銅はアルミの3倍の重量がありますが2倍の高い熱伝導率があります。
このため、アルミと銅を組み合わせたヒートシンクが多くあります、高性能な製品や既存製品の特別なモデルでは全て銅で作られた製品もあります。

大型のヒートシンクでは、熱量の小さいCPUならばファンレスで運用できるものもあり、静音製を重視するのであれば省電力CPUにファンレスCPUクーラーという組み合わせも良いでしょう。

ファンはヒートシンクに取り付けられており、ケースファンなどと同じく口径と回転数、厚みで風量と静音性が変わってきます。
もちろん大口径ファンが取り付けてある方が冷却性能、静音性ともに有利になります。

専用のファンを使用している製品もあれば汎用的なケースファンを取り付けられる製品もあります。
また、CPUクーラーのファンはマザーボードから回転数を制御できるPWMファンを使用でき、CPUの温度に合わせて回転数を制御することもできます。

■水冷クーラー

高性能なCPUクーラーには水冷式を採用したモデルもあります。
よく勘違いされますが水を使って冷やすというよりは、水を使うことにより効率的に熱を移動させることができる方式なのです。

移動させられた熱は、外部の大型のラジエーターやヒートシンクとファンで冷却され、このあたりの構造は空冷と同じです、静かな水冷といわれるのはファンが必要ないほどの大型のラジエーターを組み合わせたようなモデルです。

以前はこの水冷式は、冷却液の補充が必要だったり、ケースの外部まで冷却ホースを通したりと手間のかかる製品が多かったのですが、最近は数年間冷却液の補充不用やケースの内部にクーラー全てが収まるといったようにお手軽な製品が増えてきています。

こういったメンテナンスフリーでケース内に全て収まる製品は、単純に空冷式の上位製品と考えていいほどお手軽になっています。

ただし、どんなお手軽な製品でも冷却液の水漏れには注意が必要できちんと取り付ける必要があります。

■CPUクーラーの大きさと取り付け

CPUクーラーは大きいほどヒートシンクの面積を稼げてファンも大きいものを取り付けできます。
そのため、冷却性、静音性ともに大型のクーラーの方が有利ですが、あまりに大きいとマザーボード上のヒートシンクやその他のパーツと干渉する恐れもあります。

また、ケースの大きさによっては、CPUクーラーの高さに制限がある場合もありますので注意が必要です。

ショップブランドならば、店舗で取り付け可能なCPUクーラーを案内していたり、オススメのオプションなどとして紹介されていることもありますが、メーカー製は特に要注意です。

取り付けの際には、CPUにグリスを塗って隙間を埋めます、CPUクーラーにもグリスは付属しますが、よりCPUクーラーの性能を発揮したいのであれば、単品販売されている熱伝導率の高いシルバーグリスなどを別途購入しておくのも悪くありません。

この他、Intel製のCPUはプッシュピンタイプでCPUクーラーを取り付けるのですが、4本のプッシュピンがきちんと取り付けられているかケースにマザーボードを取り付けたままでは確認が難しい場合があるので注意が必要です。

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