デスクトップマシンをサーバーとして利用

最近は、個人でもサーバーを所有する人が増えてきており、個人サーバーがブームとなっています。
マルチコアのCPUが主流になってからは、パソコン用のハードウェアがサーバー的な用途に耐えられる性能を持っており、高速通信可能な光回線の普及も環境を整えるのに向いています。

OSも今までのサーバーOSは難しく値段も高価で敷居が高かったのですが、知識がなくても使えて手ごろな価格なWindowsHomeServerや、Linuxでの無料で使えて使いやすくなったディストリビューションなどが登場して個人でも気軽にサーバーを作れるようになりました。

以前は、古いマシンを単機能の簡単なサーバーとして再利用が、詳しい人の間でされていましたが、現在はハードソフト両面から簡単になりパソコンも本格的なサーバー運用に耐えれる性能になっているため一般のユーザーの間でも人気が出ています。

BTOでは性能をカスタマイズできるため、サーバーに必要な部分だけをカスタマイズできるのもサーバーを作りやすいポイントです。

CPUはマルチスレッド重視で

サーバーとしてパソコンを運用する場合は、マルチコア、マルチスレッドのCPUがオススメです。
ゲームなどの通常のパソコンでは、動作周波数が重要となりますが、サーバーでは、いくつかの作業を並行して作業することが重要なため、コア数やスレッド数が重要となります。

IntelのCPUはHTテクノロジーに対応していると、1コアあたり2スレッド動作できるため並行作業に実際のコア数以上の動作ができます。

Intel Core i7は4コアでHTテクノロジー対応のため8スレッド動作することができます。
コア数では、AMDのFXシリーズは8コアCPUが手頃な値段からあり、これらの8スレッド動作はサーバーでは強力なセールスポイントとなります。

実際には、そこまでのスレッド数がいるかどうかはサーバーの用途によりますので、サーバーを利用する人数やサーバーに組み込む機能など考えてBTOでどれだけのCPUが必要か、考えて選択するといいでしょう。

メモリの容量など

64bitOSが普及して、メモリを大容量搭載できるようになったことも、デスクトップがサーバー向きになった点です。

サーバーではメモリを多く使うこともあり、安定性が重視されるため、最初から動作確認がとれたメモリを大量に搭載できるBTOは有利です。

難点をあげるならば、デスクトップパソコンでは、サーバーマシンでよく使われるメモリエラーの訂正機能に対応したECCメモリを使えないという点です。

この点に関しては本格的なサーバーには劣ります。

ただし、安価に大量に搭載できるという利点もあります、そこまで信頼性が求められない用途ならば十分でしょう。

ドライブの信頼性

サーバーではデスクトップよりも信頼性の高いHDDが採用されることが多くあります。
大勢が利用し、大勢にサービスを供給し、大勢がデータを保存するサーバーではHDDの信頼性はかなり重要となります。

BTOでは高信頼性モデルが選べずこの点でも通常のサーバーより劣る点ではあります。

ただし、ドライブに関してはDIYでも追加しやすく、高信頼性モデル以外にも、現在は常時稼動するサーバーに最適な省電力ドライブも多く登場しています。

この他、サーバーでは複数台のドライブを組み合わせて信頼性を高めるRAIDを利用することがよくあります。
以前は、RAID用の拡張カードはサーバー用マザーのスロットでしか使えないことが多かったのですが、現在ではデスクトップ用のマザーボードで普及しているPCI Express用のRAIDカードが多くなっています。

より信頼性を求める場合はDIYでこういったRAIDカードや高信頼性ドライブを搭載することもできます。
ミドルタワーケースのBTOパソコンならばDIYもしやすいという利点があります。

高信頼性電源にカスタマイズ

24時間稼動させるサーバーでは、通常のパソコンよりも高信頼性電源が欲しくなります。
サーバーでは負荷の掛かるグラフィックカードなどは必要ありませんが、常時稼動となると耐久性が高くないと電源も耐えることができません。

また、ずっと稼動させているということは、その間ずっと電力を消費しているわけでもあり、電源の効率も気になるところです。

現在は電源の変換効率を示す基準が定められ、変換効率が80%を越える電源には「80PLUS」認証がされます。

さらに上位の変換効率を持つ製品では、80PLUSブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナとランク付けされており、上位になるほど変換効率が高くなります。

常に稼動させておくサーバーならばできるだけ効率のいい電源を選びたいところです。

サーバーで使うケース

本来サーバーケースは、セキュリティ保護のために、ケースに鍵の付いた蓋が取り付けられ電源ボタンも鍵を開けなければ押せないようなケースが使用されます。

個人が自宅で使うサーバーならばそこまで気にする必要もなく、どちらかといえば自宅で24時間稼動するだけに、静音性の方が気になることもあります。
できれば静音性の高い密閉構造などの静音ケースが向いています。

BTOでケースがカスタマイズでき、静音ケースが選べるなら稼動させやすいでしょう。

HDDの搭載台数はサーバーでは気になる点です。
ファイルサーバーなどでは多くの台数を搭載したくなりますし、バックアップや前述のRAIDで複数台のドライブを使うことも多くあります。

デスクトップBTOでサーバーまとめ

ここまでの内容をまとめると、現在はマルチコアCPUと大容量メモリのおかげで、性能面では高性能なサーバー環境と遜色ないサーバーをデスクトップパソコンを利用して作成することができます。

以前は自分で使う専用のファイルサーバー程度でしたが、現在はそれなりの規模のコミュニティで運用できる性能のサーバーも手軽に作ることが可能です。

ポイントを押さえるならば

・マルチコア、マルチスレッドのCPUとメモリの容量
・HDDの信頼性と省電力、RAID
・ケースの静音性と耐久力の高い高信頼性電源

といったところです。

サーバーではOSもサーバー用をインストールするため「OSなし」で注文できるのもBTOでは有利な点です。

これらを利用すれば、デスクトップのBTOパソコンで簡単にサーバーを作ることができます。
ただし、あくまで個人で利用できるそこそこのスペックなサーバーというだけで、企業で利用するような信頼性を求めるサーバーはやはり、専用のセーバーを使うべきでしょう。

そこまで性能が必要ないのならば、従来どおり古いパソコンをサーバーとして再利用するのも有効です。

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