静音パソコンのケースについて

■静音性の高いPCケース

パソコンケースは、静音性を求める上では重要な要素で、最初に基礎知識で「大きいほど冷却性に余裕があり静音化しやすい」と説明しましたが、冷却とはまた別のベクトルで静音性を高めているケースもあります。

それらは静音ケースと呼ばれ、静音化のために色々と特別な工夫がされており、通常のパソコンケースよりも静音性が高く、同じパーツを組み込んでも動作音に大きな差があります。

普通のケースでは、冷却のために前面に開口部とファンが取り付けられる構造が一般的で、サイドパネルにも吸気排気のための開口部がありますが、静音ケースでは、前面に大きな開口部が無く、代わりに無数の小さな吸気口が設けられている構造がよく採用されます。
サイドパネルにも穴がなく、前面から吸気した吸気をそのまま背面に抜けるような構造になっています。

これらは静音ケースでよく採用される「密閉構造」で、音漏れする開口部を減らしつつ、内部のエアフローを整えて効率的な冷却をすることができます。

開口部が少ないと一見冷却に不利に思えますが、空気の流れを乱す要素を無くして効率的な冷却ができるため、一概に冷却が弱いとはいえません。

ただし、発熱の大きいパーツを多数詰め込むとさすがに無理があり、そういった構成では静音性は犠牲にして冷却重視のケースを使わざるをえません。
しかし、一般的な高性能構成ならば充分に利用できる範疇で、冷却能力が不足するのは一部のハイエンド構成の時ぐらいでしょう。

注意点としては吸気口が少ないため、埃で吸気口が目詰まりしないようにこまめに吸気口に埃が溜まってないかチェックしましょう。

密閉構造以外では、振動音を抑制するための「防振構造」がよく採用されます。
まずはHDDの振動を抑制するための機構がドライブベイに採用され、防振ゴムなどでケースに振動が伝わらないような構造になっています。

サイドパネルに防振マットが貼り付けられていることも多く、振動がケースに伝わってサイドパネルが振動しないようになっています。

パネル自体も厚みがあることが多く、軽くて薄いパネルは振動でビビリ音が発生することが多くありますが、厚みがあり防振マットが貼られていればそういった振動音はかなり抑制されます。

ケースファンにも静音性の高いファンが採用されることが多く、ケース全体で静音性が考えられています。

■人気のAntec製ケース

こうした静音ケースで人気があるのがAntecというメーカーの静音ケースです。

Antecは日本国内ではもっとも人気があると言っても過言ではないメーカーで、静音ケースや冷却重視のゲーミングケースなど幅広いラインナップと使いやすいケースを販売しています。

元々現在の静音ケースブームは、様々な防音構造を持ったAntec製の静音ケースのヒットが火付け役となっており、BTOパソコンでもAntec製の静音ケースを選べるメーカーも多くあります。

静音パソコンのレインなども超静音モデルでAntec製の静音ケースを採用しておりその高い静音性がうかがえます。

落ち着いたデザインで、人気があるケースのため、実物を展示しているパーツショップも多いので、ケースが展示してある店舗が近くにある方は一度実物に触れてみて静音ケースとはどういうものが見てみるのもいいでしょう。
きっと静音化の参考になるはずです。

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