■稼動部を全て無くしたPC
パソコンから発する動作音のほとんどは稼動部のため、稼動部をすべて排除すれば限りなく無音に近づきます。
わずかに磁気ノイズなどが残りますが、稼動音に比べると無いも同然で、環境音以下の動作音にすることは可能です。
パソコンの稼動部は、ほとんどがファンとHDDと光学ドライブのため、ファンを全て無くして、ドライブはSSDだけ搭載すれば稼動部を無くすことも可能です。
ファンは、ケースファン、CPUクーラー、電源ファンがあるため、これらを必要としない製品に交換すれば完全なファンレスが可能です。
CPUクーラーはファンレス用のクーラーがあり、CPUも低発熱な省電力モデルを使用すればファンレス動作が可能です。
電源はファンレスモデルや、温度が低い状態ではファンが止まるセミファンレスモデル、ACアダプタがあります。
これらのファンレスはCPUを低発熱なモデルに変更し、グラフィックボードも搭載しなければ、なんとかなります。
他の熱源であるHDDはSSDに交換していれば発熱はかなり減らすことができます。
ただし、ファンレスのCPUクーラーや電源は、ケースファンでケース内に空気の流れがあることが前提で設計されているため、ケースファンの無い完全ファンレス環境での動作は本来は想定されていません。
この構成でもパソコンは起動し、動作も問題ありませんが、ケースファンを全て取り外していると排気がうまくできないので、いくら低発熱といっても徐々に熱が溜まりケース内温度が高くなります、このため時間が経つと熱暴走する可能性があります。
もし、こういう完全にファンレスの環境で動作させるつもりならば、ケース内の温度を監視して、温度が上昇してきたら一度シャットダウンして休ませる方がいいでしょう。
実用上はケースファンは1つは残しておいたほうが安心できますし、稼動部をファン1つまで減らせれば静音性はかなりのレベルで達成できているはずです。
■完全ファンレスでの性能は?
上記の完全ファンレスの稼動部ゼロのパソコンの性能はどの程度のものか、という疑問がありますが、実際のところは十分な性能を持っていることが多いようです。
SSDは元々HDDより高速で、容量の少なさこそありますが、ドライブの速度では問題ありません。
低発熱なCPUは、Intel、AMDとも豊富な種類が発売されており、性能が高いモデルもあります。
ネックとなるGPUも、現在はCPUに組み込まれ、それなりに高性能になっていますので、快適な動作が可能です。