サイズで選ぶノート型BTOパソコン

■ノートのサイズと液晶の大きさ

ノートでは、デスクトップ以上に大きさの要素が強くなります。
性能だけでなく、携帯性、バッテリー駆動時間、キーボードの使い勝手、そして重要な液晶の大きさに響いてきます。

大きさによって相反する項目はデスクトップよりも顕著で、デスクトップの大は小をかねるとは正反対です。

大きさによって用途が変わってくるので、最初にどの大きさのノートにするかしっかり用途を考えながら決めておかなくてはなりません。

用途といっても、難しいことを考える必要はなく、単に持ち運ぶ頻度で考えれば問題なく、持ち運ぶことが多いのであれば、小型の方が向いており、据え置きで使うことが多いのであれば大型の方が向いているといえます。

大きさについては、ノートでは主に液晶のインチ数でサイズが表記されます。

15.6インチの液晶が搭載されたノートなら15.6型ノート、13.3インチの液晶ならば13.3型ノートといった具合です。

液晶には、横縦比4:3(5:4)のスクエア型と16:9(16:10)のワイド型があり、最近の主流はワイドで特に16:9の液晶が市場の多くを占めています。
なお、液晶のインチ数は対角線で測っているため、同じインチ数でも正方形に近いほど広く横長になるほど狭くなります。

同じ15型前後のサイズでも、横縦比が違うとインチ数は違ってくるためインチ数が違う場合は横縦比も注意して見ておきましょう。

■15型前後のノート

ノートパソコンの15型はデスクトップのミドルタワーに近い位置づけの標準モデルです。
性能も高めで、普及率も高いので価格も比較的安価です。

光学ドライブを搭載していることも多く、高性能モデルではGPUも搭載しているモデルもあり、ノートの中では高めの性能を誇っています。

液晶の大きさですが、現在はワイドが主流なので、横縦比とインチ数の関係で、最近では15.4型や15.6型というように少しインチ数が大きくなっています。

トレンドとしては、15.6型でフルHD解像度(1920×1080)の液晶が増えてきており、ブルーレイドライブなどと併せて高画質の動画を楽しめるようになっています、スペック的にも再生には全く問題ありません。

液晶サイズそのままで高解像度となっているので難点としては文字サイズが小さくなってしまいがちな点です、文字サイズを設定して使いやすい大きさにしておくとベターでしょう。
文字は細かいですが、表示面積が広いので、表計算ソフトなどはかなり使いやすい広さです。

標準的な大きさのため、数多くの製品が販売されており、性能や機能も千差万別、メーカーの色も出やすい大きさです。
その気になれば、持ち歩ける程度の大きさで、もちろん机の上に据え置きで使うにも快適な大きさです。

バッテリーの駆動時間はやや短めで、重さもそれなりにあるため、ひざの上に乗せるのはまだしも、片手で支えながらは無理があります。
持ち歩いたとしても、自宅と仕事場の両方で同じパソコンを使うために持ち歩き、使う時は机の上でACアダプタを接続して使うのが基本でしょう。

バッテリーは、BTOメニューでカスタマイズしてセル数を大きくして駆動時間を延ばしたり、予備バッテリーを注文したりできる場合もあります。

この大きさは、万能感がありますが、実際はきちんと用途を決めておかないと中途半端になりがちです。
ゲームをするつもりならGPUを搭載したもの、マルチメディアに使うならフルHD液晶に加えてブルーレイや地デジチューナーなど搭載したもの、事務に使うなら本体は安くてもいいがOfficeソフトが入ったもの。

ある程度目安がないと無駄に高かったり、性能が足りなかったりと中途半端な選択になることが多々あります。

このサイズのパソコンは一通り色々なメーカーを調べていただきたいところですが、オススメを挙げるならば

・パナソニック Let's note B
・SONY VAIO S 15型モデル
・マウスコンピューター LuvBookシリーズ

パナソニックのLet's noteは軽量でバッテリー駆動時間が長く、耐衝撃性も強いという15型にしてはかなり持ち歩きやすいモデルです。
BTO専用モデルや、通常の製品より高性能なプレミアムモデルなども用意されており、SSD搭載や大容量メモリなど、かなりのハイスペックとなります。

SONYのVAIO Sは15型の他、13型のモデルもありますが、15型の方が高性能で、カスタマイズによって、クアッドコアCPU、GPU搭載、大容量SSDとかなりの高性能にまでカスタマイズ可能です。
逆にそこまで性能が必要なければスペックを落としてもよく、その場合はお手ごろな値段で購入できます。
SシリーズはさすがSONYのVAIOというべきデザイン性で、フラットな薄型ボディ、パソコンの野暮ったさがありません。
デザイン性を重視しながらもかなりの高性能までカスタマイズできるのはさすがというべきでしょう。

マウスコンピューターのLuvBookはシンプル低価格なパソコンです。
その性格はショップブランドパソコンに似ており、かなりの高性能にまで対応で、しかも価格は控えめとなっています。
コストパフォーマンスを優先するのであれば、こういったモデルが最適です。

15型のサイズは色々なメーカーから販売されていますが、大別すると、SONYのVAIOのようなデザイン性を意識している製品と、マウスコンピューターのようにシンプル低価格路線の製品に別れます。

どちらがいいか、人それぞれですが、VAIOのようにデザイン重視でも高性能なモデルもあったり、シンプルなノートでもそのデザインが気に入ることもあるはずです。
何が重要か自分のなかでしっかり決めてから選び始めることが大切です。

■14型以下のサブノート

14型以下の大きさになると、持ち歩くモバイル用途向きになります。
大きさはさまざまですが、14型〜12型の大きさが主流で、最近では13型がかなり増えています。

ワイド画面では、13.3型、12.1型、11.6型などがあります。

持ち運び重視といっても、大きさ毎に重さやバッテリー稼働時間なども変わってきます。
他に、光学ドライブの搭載なども大きさによって変わってきて、14型なら光学ドライブ搭載モデルも豊富にありますが、13型ではかなり少なくなります。

基本的には、大きいほど高性能な傾向にあり、14型だと15型とほとんど同じスペックのモデルもあります、ただし、GPUだけは例外で、14型でGPU搭載モデルはあまり見かけず搭載されていても性能が低いものがほとんどです。

また、最近では「ウルトラブック」という、Intelの低電圧CPUであるCULVを使ったノートパソコンも増えてきています。
薄型でタブレットPCとノートの中間のようなパソコンで、サブノートの大きさとは相性が良く、省電力なCPUを使っているのでバッテリー駆動も長くなります。

動作速度の向上とバッテリー駆動時間を長くするためにSSD搭載モデルも多くあり、サブノートでもSSDは有用なパーツとなっています。
SSDは高速ですが容量が少ないため、SSD搭載ノートをメインで使う場合は外付けHDDが必須となるでしょう、その場合は持ち歩くには不便です。

CULVとはまた違いますが、AMDも省電力CPUとGPUを統合したAPUを開発し、いくつかの小型ノートでIntelの製品よりCPU性能は低いかわりに高いグラフィック性能を発揮しています。

性能的には14型なら画面サイズからも据え置きで使えないこともないですが、やはり、これらの大きさは、デスクトップパソコンや15型以上のノートのサブで使うのがベターでしょう。

オススメのモデルはいろいろあり、メーカー毎にサブノートはどのサイズを重視しているか見て取れます。
いくつか挙げてみると

・ドスパラ ウルトラブックシリーズ
・NEC LaVie Mシリーズ
・パナソニック Let's note Sシリーズ

ドスパラのウルトラブックシリーズは、CULVにSSD搭載とかなり快適な性能のウルトラブックになっています。
GPUを搭載したモデルなどもあり、メモリ容量も充分でかなり使いやすいスペックとなっています。

NECのLaVie Mは13型で、光学ドライブ搭載のオールインワンモデル、HDDも大容量搭載で、パソコンを1台だけ所有するのであれば、小型マシンを選ぶならこういうモデルが便利でしょう、NECには同じ13型でも非常に軽量なウルトラブックもあります。

パナソニックのLet's note Sシリーズは12型の小型ノートで、この大きさにも関わらず光学ドライブ搭載モデルがあります。
パナソニックは以前から、この12型のシリーズが非常に評判が良く、プライベートでもビジネスでも役に立ってくれることでしょう。

この他、LenovoのThinkPadがオススメです、Xシリーズでは12型14型のモデルが用意され、低価格なEdgeシリーズではAMDのAPU搭載モデルがあり独特な存在感をもった存在となっています。

■17型以上の大型ノート

小型のノートパソコンとは逆に大型のモデルもあります。
17インチまでいくと画面も広く、性能もかなりハイスペックになります。
現在は、ワイド画面の関係で17.3インチが主流となっておりフルHD解像度の液晶もかなり増えています。

持ち歩くにはさすがに厳しい大きさと重量ですが、ノートパソコンでは最高クラスの性能を持ったモデルもあります。
具体的には、GPUが高性能で、HDDやSSDも2台搭載できるモデルもあり、上位のモデルでは下手なデスクトップよりも高性能なモデルまであります。

ノートパソコンとしては、大型ですが、設置面積など考えるとデスクトップよりは遥かにコンパクトです。

ただし、画面の大きさに加えて、高性能なGPUを搭載していたり、HDDを2台搭載したりすると消費電力が増え、バッテリー駆動時間がかなり短くなります。
画面が大きいのはそれだけで快適ですし、キーボードのレイアウトに余裕があるのも見逃せない点です。

携帯性に関しては持ち歩くというより、必要であらば持ち運ぶこともできる程度に考えておくのが無難でしょう。

この大きさでは、ゲーミングモデルも多くあるので、ゲームのオフ会などで、仲間同士でパソコンを持ち寄るLANパーティなど活躍できます。

オススメは、高性能なゲーミングモデルですが、ゲーミングモデル以外でも低価格な大型ノートなどもあります。
性能が欲しくて17型を選ぶか、それとも広い画面のノートが欲しいのか、そのあたりを決めて選ぶと良いでしょう。

いくつか17型を取り上げてみると

・フェイス Progress GTX
・ドスパラ Prime Note Critea
・SONY VAIO E 17型モデル

フェイスのProgress GTXは17型のノートで、ゲーマーに人気のある店舗のノートだけにかなり多彩なカスタマイズが用意されています、ドライブを2台搭載でき、SSD2台構成などもあります。
特に上位のモデルではSSDを2台で高速化するRAID構成も可能になっており、他のノートとは一味違う高性能を発揮します。

ドスパラのPrime Note Criteaはシンプル低価格な17型で、広い表示面積の液晶を持つノートが欲しい人にオススメです。
ドスパラでもゲーミングノートの17型があり、こちらもフェイスのProgress GTXと同様にかなり高性能なノートになっています。

SONYのVAIO EはVAIOの中でもシンプルなシリーズで、大きさも様々、17型のモデルはかなり幅広いカスタマイズが可能で、低価格な構成から、高性能な構成まで、さまざまなカスタマイズに対応できます。

この他、ゲーミングモデルでは、マウスコンピューターのG-Tune17型モデル、シンプルなモデルではDELLのXPS 17シリーズなどがオススメです。

■ネットブックはすでに過去のもの

ここでひとつ、オススメとは関係ない話になりますが、ノートの大きさやモバイルパソコンを語る上で欠かせないネットブックの話をここで挟みたいと思います。

数年前の登場時点では、今まで高価だった小型パソコン市場に常識外の低価格で登場したのがネットブックです。
ネットブックの名の通り、ネットとメールができるという程度の性能でしたが、低価格で非常に小型で持ち運びに適したパソコンでした。

つい最近までも、いろいろなモデルが各メーカーから販売されていました。
しかし、マイクロソフトは今までネットブックの定義を定めてWindowsを安価で供給していましたが、その関係でどのメーカーでも性能も価格も似たり寄ったり、ネットブックの性能にはWindowsXPがマッチしていたこともあり、Windows7時代にはかなり下火になっていました。

さらにWindows8では、解像度の問題でネットブックは事実上切り捨てられたような状態になってしまい、現在ネットブックは終息を迎えたといっても過言ではありません。

しかし、ネットブックが作った低価格ノートの流れはウルトラブックへ引き継がれ、低価格省電力CPUのコンパクトパソコンはデスクトップのネットトップへと引き継がれています。
ノート型ではありませんがタブレットPCも低価格で手軽にモバイル用途に使えるネット端末となっており、スマートフォンも近いカテゴリに入ります。

ネットブック登場後の低価格パソコンとWindowsOSとの関係性や、その後登場して来た新しいモバイルパソコンを考えるとネットブックは、パソコン業界に革新をもたらしてその役目を十分終えて次の世代に後を譲ったといえます。

■大きさ別のオススメまとめ

ここで紹介した、大きさを簡単にまとめると

・15型
現在は15.6型ワイドが主流、据え置きに向いておりそれなりに持ち歩ける、高性能から低価格までさまざまなモデルが豊富に揃っている
ポイントは、性能やデザインなど何を重視するか決めておくこと

・14型
現在は14型ワイドが主流、15型に準じた性能を持ち小型化している
ポイントは、15型との差別化、どれくらい持ち歩く必要があるか考えておく

・13型以下
現在は13.3型ワイド、12.1型ワイド、11.6型ワイドといった大きさがある、小型でバッテリー駆動時間が長くモバイル向け、CULVやAPUを採用した省電力小型で性能もそれなりにあるモデルが流行
ポイントは、持ち歩くための大きさの把握、できれば実物を触ってどれくらいの大きさか確認したい

・17型
現在は17.3型ワイドが主流、高性能なマシンが多い、大きく重いので据え置き向け
ポイントは、性能を重視するかどうか

それぞれ大きさごとの特徴をしっかり見極めて、自分に必要なのがどの大きさなのか決めることが重要です。

カスタマイズ項目は、自前で交換が難しいCPUとGPUをどうするかがひとつのポイントになります。
スペック面では他にメモリやHDDをどうするかという選択も重要です。

液晶が選択できるノートでは、液晶をどうするかも重要で、15型以上の大きさならカスタマイズでフルHD液晶を選びたいところです。

面白い点ではデザインのカスタマイズができるノートです、豊富なカラーバリエーションが選べるモデルならばここも重要項目といえるでしょう。

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