BTOパソコンってどんなもの?

一般的なユーザーが思うパソコンとは、おそらくその大半が量販店で並んでいる「完成品のパソコン」でしょう。
パソコンを購入する時は、大手の家電量販店やパソコン専門店、町の電気屋さんなどパソコンを販売している店は多くありますが、それらの店でメーカーの作った完成品のパソコンを買って帰る、または販売店のサービスを利用して設置してもらうという場合がほとんどでしょう。

日本ではこれがもっとも標準的な購入方法ですが、パソコンというものはさまざまな用途、環境、機能に合わせて必要なものが変わってくるものです。
メーカーの用意した完成品では「あれが足りない、これが邪魔だ」といったことも少なくありません。

パソコンにはただ単に既製の完成品を購入するだけでなく、他にもいろいろな「自分用」の一台を手に入れる方法があります。

まずは自作、パソコンを構成するパーツを購入して自分で組み立てる方式です。
次が自分でカスタマイズするDIY(Do It Yourselfの略)言葉の意味としては自作もこれにあてはまりますが、既製品自分の手でカスタマイズのという方法です。

そして最後がBTO、BTOは現在完成品をそのまま購入する方法の次に一般的となっている方法です。

BTOはどういう意味か

Build to Order(注文後組み立て)を略してBTO、完成品を出荷する方式とは違う、注文を受けてから組み立てて販売するという形式です。

注文後に組み立てるため、注文する際にユーザーの求めるカスタマイズが可能だという利点があります。
たとえば、CPUはより性能を高いものにして、メモリの容量も増やして注文といった具合です。

本来はこういったカスタマイズできるBTOは、CTOという名称が使われるのですが、現在のPC業界では、BTO自体にカスタマイズして注文といった意味合いが含まれることが多いようです。

完成品をそのまま注文する方法とくらべて、遥かに細かくユーザーの要求に応えることができる販売形式となっています。

そして、ユーザーの手元に届く製品は「完成品」と同様の、箱から出したらそのまま使えるカスタマイズされたパソコンが届くというわけです。
これはパーツを組み立てなけらばならない自作や、自分で既製品にパーツを組み込むDIYと比べると敷居も低い安心できる方法といえるでしょう。

BTOパソコンの利点

BTOという販売方法には、ユーザーの要求に応えやすいというメリットがあります、ですが、ユーザーが理想的なパソコンを手に入れる方法としては、他に自作やDIYという方法もあります。
BTOにはこの他の自作やDIYよりも遥かに優れたメリットがあります。

それは、メーカーの保証という点です。
自作では、メーカーの保証が受けられるのは、個々のパーツ単位であって、組みあがったパソコン自体には保証がありません、DIYに関しても、元となった既製品のパソコン自体には保証がありますが、取り付けたパーツと、パーツを取り付けたことによるトラブルは保証の対象外となっています。

また、パソコンのパーツを作っているメーカーは膨大な数があり、そこで生産されるパーツの種類も膨大な量となっています。
各メーカーごとに全ての組み合わせをチェックすることは不可能なため、例え規格どおりに作られている製品であっても、動かない組み合わせに出くわすこともありえます。

自作であれば、パーツの保証は個々の製品毎で、例えその組み合わせで動かなかったとしても、パーツ自体が故障していなければ保証の対象にはなりません。
DIYでも同様で、パソコンが壊れてなく、パーツも故障でなければやはり保証の対象とはなりません。

言い換えれば「実際に試してみるまで動くかどうかわからない」ということです。

この点BTOでは、組み立てやカスタマイズは全てメーカーが行うため、組み合わされたパーツも含めて本体の保証になりますし、メーカー側できちんと動作確認されたパーツを使用し、動作検証まで細かく行われているため、こういうった問題はありません。

自作やDIYによるカスタマイズと比べて、優位となる安心できるメリットです。

価格面でのメリット

カスタマイズして注文、オーダーメイドとなると、一般的な既製品より高くなると思われがちですが、パソコンの場合は、BTOに価格的なメリットもあります。

パソコンは価格の下落が大きく、完成品は在庫を抱えるリスクが多いのですが、注文を受けてから組み立てるBTOの場合は在庫のリスクが少なく、その分価格に還元できるということです。

もちろんBTOでもパーツ単位での価格下落はあるのですが、その場合に旧モデルの特価販売などがあり、より安く手に入ることも多々あります。

他にも、CPUの上位製品へのアップグレードやメモリの増量などのキャンペーンが用意されていることもあります。

納期には注意が必要

価格や保証面でのメリットが大きいBTOですが、納期となると既製品よりも劣ります。
完成品の状態でストックされている既製品ならば、在庫があればその日にすぐに手に入りますが、BTOの場合は、注文を受けてから組み立てて納品となるため、パソコンが手元に届くまで時間がかかります。

納期にもメーカーや構成によって異なり、メーカーの組み立て工場の営業日や、標準的ではない構成では納期が延びる場合も多々あります。

一般的なメーカーで標準的な構成では3営業日から5営業日、だいたい土日は工場が止まっているため、5営業日では1週間ほどで手元に届く計算になります。
店舗ではなく工場の営業日なので注意しましょう、盆や正月、ゴールデンウィークなどの工場が止まる大型連休は特に納期が長くなりがちです。

また、品薄なパーツや在庫切れのパーツが構成に含まれる場合は納期が余計にかかる場合も少なくありません。

BTOでのパソコン購入方法

既製品の購入は、販売してる店舗で「完成品を購入して持って帰る」のが一般的です。
自作の場合はパーツを扱っている店舗でそれぞれ単品で購入します。

BTOの場合は、インターネットでの注文がもっとも一般的です。
BTOを扱っている店舗、もしくは、メーカーの直販サイトから、カスタマイズして注文という流れになります。

支払方法でも、インターネット通販同様で、クレジットカードでのカード決済がもっともポピュラー、他には銀行振り込みと代引支払いなどです。

組み立て作業は、入金確認後から開始されることも多いので、銀行振り込みの場合は早めに入金しないと手元に届くのが遅れることもあるので注意しましょう。

店頭注文できる販売店もある

インターネットでの注文がポピュラーですが、インターネット注文は基本的にはすでにパソコンを持っている人向けであり、1台目の場合は「そもそも注文するためのパソコンが無い」ということもありえるでしょう。

ですがご安心ください、BTOパソコンは、店頭で注文できる場合も少なくありません。

ショップブランドのパソコンBTOならば、扱っているショップの店頭で注文できることがほとんどです。
店員の詳しい説明を聞きながらカスタマイズできるため、初心者にもオススメの方法です。

大手の家電量販店では、売り場にメーカーの販売員が常駐していて、そのメーカーのBTOパソコンを注文できることもあります。
都市部ではメーカーの直販店があることも多く、そういった場所では多くの展示機も用意してあるので実物を見ながら注文することも可能です。

店頭での注文の場合は、その場で代金を支払うこともありパソコン1台の金額となると代引きや銀行振り込みでは手数料が高くなる場合も多いので店頭支払いの方が安くなることもあります、あまり期待しすぎるのもよくありませんが場合によっては店員の裁量による値引きをしてくれることもあるでしょう。
また、ショッピングローンの取り扱いをしている店舗もあります。

メーカー製パソコンとショップブランドパソコン

BTOパソコンは数多くの種類が販売されていますが大別すると、メーカー製とショップブランドに分かれます。

メーカー製は元祖ともいえるDELLを筆頭に、NEC、富士通、SONYといった家電大手メーカーやマウスコンピューターなどのパソコンメーカーが販売しているパソコン

ショップブランドは、ドスパラやパソコン工房などのパソコン専門店が販売している店舗のオリジナルパソコン

BTOパソコンは大体がこれらのメーカー製とショップブランドになります。

メーカー製とショップブランドの違いを認識しておけば自分にあったパソコン選びもしやすくなるでしょう。

メーカー製パソコンとは

パソコンとしての性能よりも、デジタル家電としての性格が強いのがメーカー製パソコンです。
具体的には、CPUやメモリの性能よりも、テレビ機能や写真機能など家電的な機能が重視されています。

筺体とマザーボードが、独自の専用設計になっているものが多く、それぞれのメーカー独自の機能を持っていたり、通常のパソコンよりも小型な設計になっています。

最たるは液晶一体型パソコンで、小さな筺体にパソコンが詰め込まれています。
テレビ機能を生かすためにリビングなどの生活領域に置いても違和感のないデザインなどで設計されています

Windows8のタッチパネルを生かすために特化した形もメーカーの個性が出る部分といえるでしょう。

デスクトップパソコンよりもノートパソコンが強いのもメーカー製の特徴です。

もっとも、メーカーによっては性能を重視したシンプルなパソコンに力を入れている場合もあり、そういったパソコンはデザインもいかにもパソコンといった外観をしており、ショップブランドパソコンに近いものがあるでしょう。

ショップブランドパソコンとは

ショップブランドパソコンは、パソコン専門店、パーツショップなどがオリジナルで作成しているパソコンです、初期の頃はシンプルな白いダンボールに梱包されていたとから「白箱」という呼び方もされていました。
さまざまなショップから販売されており、その店の性格を現している一面もあります。

シンプルで高性能、低価格でコストパフォーマンス抜群なパソコンです。

自作用のパーツを組み合わせて作成されていることも多く、後々のDIYによるカスタマイズもしやすくなっています。

中にはメーカー製パソコンのように独自機能を売りにしている製品もありますが、大体の製品はシンプルで、機能よりも性能が重視されています。

パソコンユーザーはメーカー製パソコンに搭載されているような独自機能は余分な機能だと思っている人も多く、そういったユーザーにはシンプルなショップブランドパソコンを歓迎する人も少なくありません。

自作用のパーツを利用しており拡張性も高いので後からユーザーの手で必要な機能を追加することも容易です。

性能と拡張性が高く、コストパフォーマンス優秀な点がショップブランドのメリットです。

もっとも、メーカー製パソコンでもショップブランドパソコンのようなシンプルなパソコンをラインナップしているメーカーもあり、小型筺体を利用した独自色の強いショップブランドパソコンもあります。

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