■Windowsのライセンス
BTOパソコンではオプションで、OSなしにカスタマイズしてOSの値段を削ることができますし、自作パソコンでは基本的にOSは別途購入しなくてはなりません。
こういう時に「前のパソコンのWindowsを新しいパソコンに入れたい」という意見をよく聞きます。
しかし、こういう場合に大体の場合ではWindowsは新しいパソコンに持ってくることはできません。
これはWindowsのライセンスによって決められており、OSを新しいパソコンに持ってきてもいいかどうか、Windowsの販売形態によって変わってきます。
Windowsの販売形態では大まかにわけて
・パッケージ版
・DSP版
・OEM版
・ボリュームライセンス
があります。
これらのライセンスによってOSを他のパソコンにインストールできるかどうかが変わります。
■パッケージ版とDSP版
Windows8以降ではパッケージ版とDSP版は統合されましたが、Windows7以前ではパッケージ版はOS単体での販売、DSP版はパーツとセットの販売と別の販売形態で、ライセンスのあり方も違っていました。
7以前のパッケージ版は、OSライセンスの移管も可能で、前のパソコンからWindowsを削除すれば新しいパソコンに移すことが可能でした。
DSP版は、パーツとセットの販売形態で、Windowsもセットで購入したパーツと一緒でなくては使えないという決まりがあり、逆にいえばセットで購入したパーツを新しいパソコンに持ってくれば、新しいパソコンにWindowsを移してもかまいません。
パッケージ版もDSP版も、パソコンに元々入っていたものではなく、ユーザーが購入したものでしょうから、OSを新しいパソコンへ移管できるかどうかはユーザーが把握しているでしょう。
これらの場合は古いパソコンのOSを削除して新しいパソコンへWindowsを移すことができます。
Windows8の場合は、DSP版しかありませんが、従来のパッケージ版と同じ状況で単体販売され、パーツとのセットは考えずに古いパソコンのOSを削除すれば新しいパソコンへWindowsを以降しても構いません。
■OEM版
OEM版は、メーカー製のパソコンで元々インストールして販売するための形態で、他のパソコンで使うことはできません。
おそらく、WindowsOSを使っている人の多くはこのOEM版を知らずに使っているという人でしょう。
ですから「古いパソコンから新しいパソコンにWindowsを持ってくることは大体の場合できない」という結論になります。
Windowsを単体やパーツとセットで買った覚えの無い人はだいたいがこのパソコンに元から入っているOEM版なので、新しいパソコンではBTOでもOSありで注文するか、自作などでは別途DSP版などのWindowsを用意するようにしましょう。
なお、こういったライセンスの扱いの他に、Windowsの技術サポート先がマイクロソフトではなく、パソコンのメーカーになるというサポートの扱いの違いもOEM版にはあります。
アップデートなどはマイクロソフトから行えますが、わからないことがあった場合はメーカーサポートに問い合わせるようにしましょう。
■ボリュームライセンス
ボリュームライセンスは、企業向けのまとめ買い用の販売形態です。
一般では縁がなく、販売形態としても特殊で個人で知らずに使っているということはないでしょう。
ボリュームライセンスは年単位の契約で、何ライセンス分という契約になり、他のパソコンへの移管も自由です。
企業で頻繁にパソコンの台数や運用が変わる場合はこうやって自由が効くようになっています。
また、使用できるバージョンも法人向けのパッケージである多機能な「Enterprise」という種類です。
実際に、企業でボリュームライセンス契約で運用している場面で、Windowsを他のパソコンに移管する場合は、システム管理の部署がライセンス数などを管理しているため、社内のパソコンを管理している部署に指示を仰ぐようにしましょう。