ショップブランドパソコンのメリット・デメリット

■ショップブランドについて

ショップブランドは、文字通りお店の独自ブランドのことで、プライベートブランドとも呼ばれます。
メーカーではなく、店舗で企画開発した製品などのことで、近年では衣料品や食品などもブティックやスパーマーケットで見かけます。

パソコン業界では、古くからショップブランドが強い勢力を持っており、パソコン専門店が独自に企画開発したパソコンを販売しています。
ショップブランドパソコンの多くは、パーツを扱っているショップで販売され、主に自作に使うパーツで構成されています。

わかりやすく言い換えると「店舗で組み立て済みの自作パソコン」といえます。
もっとも、基本的には店舗ではなく工場で組み立てられます。
また、ユーザーが自作パーツを選んで店舗で組み立てを代行してもらうことがありますがそういったパソコンはショップブランドとはいいません。

特徴としては、メーカー製や自作よりも安い価格と、自作パソコン同様のカスタマイズのしやすさが挙げられます。
高性能で低価格、シンプルなパソコンというのがショップブランドパソコンと特徴です。

■ショップブランドのメリット

低価格で高性能、つまりコストパフォーマンスの高さが最大のメリットでしょう。

より正確に述べると、自作用のパーツを使っているということで、パーツの性能がそのままパーツの価格に直結し、それらのパーツを使うことでパソコンの性能がパソコンの価格に直結しています。

この点は自作パソコンでも同じことなのですが、ショップブランドの場合は、自作より低価格にこの性能を実現できます。
理由としては、自作用のパーツはきれいに付属品などと箱詰め包装して出荷されていますが、ショップブランドの場合は、パーツを大量に裸(もしくは簡易包装)のまま仕入れているので、パーツ単体の価格を下げられ、同じパーツを使用しても低価格にパソコンを組み立てることができます。

自作用のパーツで構成されているということもあり、後々のDIYによるカスタマイズが容易なのもこの点に由来します。

この他の利点としては、これは人の価値観にもよりますが、大手国内メーカーのパソコンと違い、余計な機能がなくシンプルな点も利点といえます。
シンプルで余計な機能や余計なソフトが無いため、自分の思い通りのパソコン、環境を作ることができます。

■高性能なパソコンならショップブランド

ゲーミングモデルに代表されるような、高性能モデルもショップブランドパソコンの強みです。
3D性能の高いグラフィックボードが搭載されたモデルなどは、メーカー製ではあまりラインナップされておらず、ショップブランドパソコンの独壇場といえます。

DIYによるカスタマイズがしやすいということもあり、後々に高性能なグラフィックカードや最新のグラフィックカードに載せ換えしやすいという利点もあります。

グラフィックカードのランクアップをする場合は電源の交換などの必要性もあり、そういった場合に電源の交換もしやすいという要素もあります。

■ショップブランドのデメリット

ショップブランドは、メーカー製に比べるとサポート体質がやや落ちる部分があります。
使い方などの技術サポートや修理の対応などは、メーカー同様専用のサポート窓口での対応となり、その対応がやや弱い傾向にあります。

修理も引き取り修理ではなくこちらから修理窓口に送ってのセンドバック対応ですし、修理の期間も長くなります。
また、上級者向けになりますが、故障箇所が特定できた場合に、故障箇所だけを取り外して交換して貰える場合もあります。

もちろん、直接店舗でアドバイスが貰えるという利点はあり、パーツの増設や交換についての相談は非常に頼りになります。
ただし、あくまで本来のサポートは専用窓口になるので、トラブルが発生した場合は、わざわざ大きな本体を店舗に持っていくよりそちらに直接連絡した方がいいでしょう。

技術サポートや修理などのトラブルで店舗へ相談に行っても、店舗の勝手な判断で対応できないため、具体的な対応は「サポート窓口に連絡してください」と案内される場合がほとんどです。
逆に、サポート窓口に相談した時に「最寄の店舗へ」と案内場合もありますので、先にサポートに相談してしておいた方が賢明でしょう。
その場合は、サポートから店舗の方に対応の連絡がいっており、店舗で最適な対応をしてもらえることでしょう。

■ショップブランドの品質

きちんとしたメーカー製と比べると、店舗オリジナルということで、品質面に不安を感じている人も居るかもしれませんが、結論から言うとそこまで気にする必要はありません。

パソコンの品質は主に、個々のパーツの品質と組み立て精度によって決まり、これらの要素が安定性や故障率に関わってきます。

パーツの品質は、自作用のパーツが使われており、自作で人気があるものと比べてややグレードが下がるものが頻繁に使われている印象があります。
だからといって、パソコン自体の品質が低いわけではありません、自作では不特定多数のパーツと組み合わせることが多いため、そのことで問題が出ないようにあらかじめ高品質なパーツを選ぶことが多くなります。
そもそも、わざわざパソコンを自作しようというユーザーはこだわりを持っている人が多いため、自作では安いだけのパーツよりも、やや高価なパーツの方が人気があります。

また、ショップブランドでは、パーツを組み合わせたパソコン単位できちんと動作確認をとっているため、一見自作より個々のパーツの品質が低いように見えても、安定度は高くトラブルも少なくなります。

■組み立て精度に関して

組み立て精度に関しても、多少の差はあれど特に問題なく、国内の工場で組み立てと検査がされています。

メーカー製の専用設計されたパーツをふんだんに使っているパソコンと比べると、一見して精度が低いように見えますが、自作用のパーツを使っているため、ただ単に中に余裕が多いのでそう見えるだけで、精度は問題ありません。

自作と比較してもかなりの高精度で組み立てられており、自分でショップブランドと同じパーツを使って組み立てても、同じような精度で組み立てるのはなかなか難しく、それなりに自作慣れした人でないと難しいレベルで組み立てられています。

■電源の品質には注意

品質面で唯一注意が必要なのが電源の品質です。
電源はパソコンのパーツの中でも特に故障頻度の高いパーツなのですが、その原因は価格と品質の兼ね合いに問題があります。

というのも、電源は価格が上がってもほとんどスペックに影響がないため、本体価格を抑えるために低品質な電源が使われる傾向が強いといえます。

もっともこれは、ショップブランドに限らずメーカー製でも同様で、どちらにせよパソコン電源の故障で動かなくなることが多々あります。

特に要注意なのが、パーツのスペックを上げて負荷のかかる構成にカスタマイズしたのに、電源はそのままというパターンです。
BTOのカスタマイズでは、高性能な構成にしやすいため、パーツを負荷の大きい高性能なものに変更して、電源だけそのままというパターンも多いので、負荷の大きいパーツにカスタマイズした場合は、電源も合わせて高品質なものにカスタマイズする方が無難です。

ほとんど標準構成そのままというのならば、そこまで電源のカスタマイズに気を使う必要はありませんが、もし、一日中稼動しているような長時間稼動させる予定のパソコンならば、この場合も高品質な電源にカスタマイズした方がいいでしょう。

ショップブランドでも、基本的に電源さえカスタマイズしておけば、メーカー製よりも高品質といっても過言ではありません。

■まとめ

この項目で説明した要点をまとめると

・価格と性能のバランスがいい
・シンプルな構成で後からカスタマイズもしやすい
・サポートはやや落ちる
・ハイエンド構成や稼働時間が長いなら高品質電源を選ぶ

ということになります。

性能か価格を重視するのならば、ショップブランドは有力な選択肢です。
余計な機能がなくシンプルなパソコンは、性能を引き出すには最適な選択肢で、自分の思い通りのパソコンにもしやすいので、自分の求めるパソコンを作る場合にはショップブランドをオススメします。

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