海外メーカーパソコンのメリット・デメリット

■パソコンの海外メーカー事情

日本はどんな業界でも独自の文化が形成されがちで、パソコン業界でも同じく、Windows95以前はNECのPC-98が国民機としてパソコンの代名詞となっていたように、かなり独特のパソコン文化があり、映像や音楽のクリエイターがMacintoshを使っていた以外では国内メーカーが非常に強い業界でした。

しかし、近年は価格競争などの影響で、低価格なパソコンをラインナップする海外メーカーが多く日本にも進出しています。

現在日本で見かけるメーカーは、アメリカのDELL、hp、レノボ(厳密には中国企業)や台湾のASUS、GIGABYTE、MSI、AcerとAcer傘下のGateway、eMachinesなど
もちろんMacintoshのAppleも海外のパソコンメーカーです。

日本に進出しているこれらのメーカーは世界でもトップクラスのパソコンメーカーばかりで、非常に豊富なラインナップを持っているメーカーばかりなのですが、日本進出のきっかけ自体が価格競争ということもあり、人気となっているのは低価格モデルが主です。

現在Acer傘下となっているGatewayは以前、高性能パソコンとして日本へとやってきましたが、海外製の高価なパソコンはあまり市場に受け入れられず一度撤退しています。
高性能モデルは、特別な地位にあるAppleのMacintoshを除けば、現在はDELLのAlienwareが評価される程度です。

しかし、ノートパソコンのBTOに関しては、安価で高性能モデルを入手するには向いており、デスクトップでもBTOで高性能にすることは可能です。
海外メーカーは低価格な特価モデルか、BTOで国内メーカーが手薄なノートの高性能モデルなどが有力な選択肢でしょう。

■低価格での人気と高性能BTO

海外メーカーでは、低価格モデルが特に人気があり、あまり高性能なモデルは注目されません。
家電量販店のチラシや新聞広告などの、一般的に目にする海外メーカーパソコンが載っている広告では激安モデルばかりが掲載されています。

実情としては、一般層にはこういった低価格の即納モデルがもてはやされていますが、BTOでは高性能なモデルでも比較的安価で手に入れられるメリットがあります。

パソコン自体の特徴としては、国内のパソコン専業メーカーに近いものがあります。
シンプルでコストパフォーマンスが高い点は共通しています。

■独自規格の多さに注意

シンプルでコストパフォーマンス優秀な点は国内の専業メーカーに近い特徴ですが、海外メーカーでは独自規格や独自設計がかなり多くなります。

一見して独特な外観で独自設計の場合もあれば、同じに見えるタワー型パソコンでも、独自設計で、マザーボードの規格は同じだけど取りつけ位置が違ったりマイナーな規格が採用されていることも少なくありません。

パーツの交換や増設をしようとケースを開いたら、実は独自規格だったということも多々あり、いざ作業する段階で取りつけできないことに気付くこともありえます。

もっとも、メモリやHDDの増設程度ならばほとんど心配なく、CPUの交換などになると独自規格でなくても困難なことも少なくありません。

そもそも、BTOで注文するのならば、カスタマイズできるので性能に関してはそこまで後からカスタマイズする必要がないように注文することができます。
カスタマイズ項目も豊富なメーカーが多く、スペック面では特に困ることはないでしょう。

■詳しくないとサポートに難あり

価格に強く、性能にも問題ない海外メーカー製ですが、サポート面に関しては難があります。

一昔前に比べるとだいぶマシにはなりましたが、それでもかなり厳しい点があります。
使い方などの技術サポートでは頼りなく、元からパソコンの問題を解決できる人でないと困ることも多いでしょう。

修理対応も国内メーカーに比べて時間がかかったり、対応自体が悪かったりと評価は芳しくありません。

メーカーサポートに頼る必要がある人は海外メーカーは避けたほうがよく、家電量販店の即納モデルなど店舗でのサポートが期待できる場合や、オプションでの有償保証に加入などである程度特別なサポートが用意されている場合などに限定した方が無難でしょう。

その反面、パソコンに詳しい人ならば、故障したパーツ単位で修理用の部品を取り寄せることができたりなど、国内メーカーより修理が容易だったりもします。

あらかじめ、そのメーカーにどういった保証やサポートがあるのか調べておいた方がいいでしょう。

■まとめ

海外メーカーの特徴をまとめると

・低価格路線
・性能を重視したモデルもBTOで手に入る
・独自規格も多い
・サポート対応は詳しい人向け

という特徴があります。

低価格路線は、あくまで日本でのユーザーニーズがそうしているだけで、メーカー自体は世界的に大手メーカーが多く、BTOでは高性能モデルも手に入ります。

サポート対応などは、自力修理への対応など、詳しい人向けのサービスが充実しているような部分もあり、初心者ではサポート対応に不満がでることも多くなります。
トラブルの対応を自分でなんとかするという気がなければ、避けたほうが無難でしょう。

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