■DTM(デスクトップミュージック)について
近年、パソコンでの音楽シーンのブームとして作曲が注目されています。
元々パソコンは作曲に便利なマシンだったのですが、最近は動画投稿サイトなどで、自分の作品を気軽に発表できるようになったため、注目されているようです。
パソコンでの作曲などの音楽を扱うDTM(デスクトップミュージック)は本来は、Macintoshの独壇場でしたが現在はWindowsでもかなりの広がりを見せています。
DTMは直接ソフトに音をを入力しての打ち込み演奏と、電子楽器を接続して演奏、マイクでパソコンに録音するなどの方法を組み合わせて作曲します。
このDTMで重要なのは、打ち込み演奏だけなのか、歌や楽器の録音もするのか、この点をはっきりさせておかないといけません。
なぜなら、打ち込み演奏だけならば録音をできるようにしても無駄にしかならず、反対に録音しようとしても録音環境がないというような事態に陥る可能性があるからです。
基本的には、打ち込み演奏だけならば作曲環境も簡単に構築できますが、録音もするのならばいろいろと準備が必要になります。
■ASIO2.0に対応したサウンドカード
パソコンの打ち込み演奏で重要な要素で、入力の遅延があります。
Windowsで標準的に利用されているデバイスドライバは、入力してから音が鳴るまでの時間長く、パソコンに電子キーボードなどを繋いで音を鳴らすと、キーを押してから音が鳴るまで1秒ほどかかってしまいます。
これではリアルタイムに演奏しながら打ち込みなどまともにできませんでした。
そこで、ASIOドライバ(最新はASIO2.0)という音楽用のドライバが登場し、このASIOドライバを利用するとほとんど遅延をなくして入力することができます。
このため、打ち込み演奏をするのならば、このASIOドライバに対応したサウンドカードが必須といえます。
■録音には周辺機器が必要
打ち込みだけでなく、録音もする場合はオーディオインターフェースと呼ばれる録音向きのサウンドカードと、マイクや電子楽器が必要になります。
もちろん打ち込みの場合でも延々マウスでやるのは手間がかかるので、入力用のキーボードがほぼ必須といえるでしょう。
つまり、必要なのは入力するキーボードとマイクや電子楽器、それらに対応したオーディオインターフェースです。
オーディオインターフェースはかなりの種類があり、機能も様々ですが、DTMで必須なのはASIOに対応していること、マイクを使うならマイクの入力を補佐する「マイクプリアンプ機能」が付いているの2点が重要です。
その他は入力端子の種類などで決めるといいでしょう。
■DTM向きのBTOパソコン
DTM向きのパソコンというのはほとんど見かけることはありません、実際のところパソコン自体は、DTM向きのオーディオインターフェースが搭載できればそれでいいという考えもあります。
作曲の人気が上がっていても、オーディオインターフェース自体は割とプロ向けでニッチなパーツのためなかなか一般的なBTOでは需要が少ないというところもあります。
なので、比較的自力でオーディオインターフェースを組み込むのであれば、シンプルなパソコンにメモリを大容量搭載しておくのが無難です、自前でカスタマイズしやすいモデルならベターでしょう。
オススメは
・ツクモ eX.computer AeroStream
・ドスパラ Primeシリーズ
これらのモデルはシンプルなため、自力でオーディオインターフェースを組み込むのも比較的簡単です。
さらにいうと、HDDを増設しやすいのもポイントです、絵を描く場合でもそうですが、創作活動に使うパソコンは非常にHDDの容量を使います、HDDが増設しやすいに越したことはありません。
実際のところは、オーディオインターフェースは外付けの製品が多いので、パソコンの中をいじることは少ないのですが、シンプルでHDDを増設しやすいのはかなりのメリットといえるでしょう。
シンプルなパソコンを選ぶ意義は、パソコン自体をシンプルにしておいて、周辺機器や、DTM用のソフトに予算を割くべきだという意味もあります。