GPUはGraphics Processing Unitの略で、映像を処理する装置です。
画面に映像を出力する以上はどんなパソコンにもGPUは搭載されています。
このGPUがゲーミングパソコンにおいて、もっとも重要なパーツです。
3Dゲームをするにあたって必要な性能の8割ぐらいGPUが占めます。
とはいえ、GPUだけしっかりしていれば良いという訳ではなく、残りの2割の要素をしっかり押さえなければ十分な性能を発揮できない点に注意です。
グラフィックボード
あまり3D性能を重視されないパソコンでは、GPUはマザーボードなりCPUに内蔵されていますが、3D性能が必要になってくるとGPUは巨大化して入りきらなくなります。
そこで登場するのが、GPUを専門に搭載するグラフィックボードです。
というより、パソコン業界では事実上GPUをグラフィックボードの意で使っているような風潮があります。
グラフィックボードに搭載されていない物はGPUにあらず、ただのオマケだというような感じです。
実際その通りで性能的にもグラフィックボードに搭載されるGPUじゃないとわざわざ意識する必要もないと思います。
漠然とここまでグラフィックボードという名前を出していましたが、どういったものかを説明すると
GPU単体を専用のボードに乗せて、電力供給して、GPUだけで使える高速なグラフィックメモリを搭載して、GPUを冷却するクーラーを搭載したもの
これがグラフィックボードです。
搭載するGPUの大きさによってボードの大きさも大きく変わってきます。
上位の製品ではかなり巨大なボードとなるため、大きいケースでないと入らないということも多々あります。
GeForceとRADEON
トップページでも少し触れましたが、ゲームに使われるGPUは大きく分けてnVidia社のGeForceとAMD社のRADEONの2種類があります。
nVidiaのGeForceシリーズ
AMDのRADEONシリーズ
これ以外のGPUはゲーム用途で使用されることはほぼありえません。
両者の違いはユーザーが意識する部分では、はっきりってあんまり違いません。
各社ともに独自機能もありますが、割と限定的な状況でだけ使うような感じで、遊びたいゲームがその独自機能に対応しているなら選択肢になる程度のものです。
また、ゲームによって多少向き不向きがある程度で、だいたいの場合がユーザーの個人的な好みで選ばれています。
「初めて買ったグラフィックボードがGeFoeceだったからずっと使っている」とか「GeForceで一度不具合にあってからRADEON使うようにしている」などかなり主観が強い選ばれ方がしているように感じます。
どっち派というわけでなく、ただ単にその時々で性能が高い方だとかコスパがいい方を選ぶという人も多数居ます。
ちなみに管理人は一応RADEON派ですが、普通にGeForce搭載マシンも所有しています。
GPUの型番と性能と値段
GPUはCPUと比べると非常に性能の幅の広いパーツで、値段もピンきりです。
CPUの上位製品はワンランク違っても性能差は1〜2割といったところですがGPUの場合はワンランク違うと性能差が数倍ということもザラです。
なぜそんなに性能差が大きいかというと、GPUはシェーダーという「ポリゴンの点を処理などに使う部分」の数が大幅に違ってきます。
そんな要素どうやって見比べればいいんだよ!
と、思う人も多いかと思いますが、メーカーでは型番で性能や世代の違いを見分けられるように配慮されています。
GeForceもRADEONも、現在の法則では、シリーズ、世代、性能といったことを型番で表しています。
GeForce
GTX | ゲーミングシリーズ |
---|---|
GT | 一般向け |
百の位 | 世代 |
十の位 | 性能 |
一の位 | 予備 |
一の位では、性能が微増したりしたマイナーチェンジ版など数字が増えたりします。
この他、後発で発売される高性能版で、末尾に「Ti」が付いたモデルもあります。
RADEON
R9 | ゲーミングシリーズ |
---|---|
R7 | 一般向け |
百の位 | 世代 |
十の位 | 性能 |
一の位 | 予備 |
この他、高性能版で末尾に「X」が付いたモデルもあります、GeForceの「Ti」と違って特に後発で登場というわけではないようです。
ちなみに、以前は4桁の型番で、現在もローエンドのモデルでは4桁型番の旧世代の製品がラインナップされています。
末尾に「X2」と付くモデルもあり、これは2つのGPUが1枚のボードに搭載されているモデルで、非常に高性能ですが、発熱や消費電力も高いモデルです。
少し前までは両者の型番法則は結構違いましたが、現在は偶然か意図的か、型番法則は似たような感じになっています。
グラフィックボードの価格帯
グラフィックボードの価格帯はクラスごとにかなりの差があります。
- ローエンド
1万円以下
GeForce GTシリーズやRADEON R7 240シリーズなど
軽めの3Dゲームや動画用途に使える。
- ミドルレンジ
1万円〜2万円以上
GeForce GTX750やRADEON R7 250など
そこそこの3D性能を持ちMMORPGなどで活躍する。
- アッパーミドル
3万円以上
GeForce GTX 760やRADEON R9 270XやR9 280など
高い3D性能を持ち、要求スペックの高いゲームでも動作する
- ハイエンド
5万円〜6万円
GeForce GTX770やRADEON R9 280XやR9 290など
非常に高いスペックを持ち、高解像度高負荷のゲームでも快適動作する
- ウルトラハイエンド
8万円以上
GeForce GTX780TiやGTX980、RADEON R9 290Xなど
最高クラスの3D性能を持つ、性能を突き詰めるなら最適な選択
価格帯が変わると大幅に性能が上がります。
マルチGPU
最後にマルチGPUについて触れておきます。
パソコンによっては、複数枚のグラフィックボードを搭載できるマザーボードを採用しているモデルもあります。
そういったパソコンで複数枚のグラフィックボードを搭載すれば、グラフィック性能を飛躍的に高めることができます。
複数のグラフィックボードを搭載することからマルチGPUと呼び、nVidiaでは「SLI」AMDでは「CrossFireX」という名称が使われています。
どちらもマザーボードに複数枚のグラフィックボードを搭載できることが前提で、なおかつSLIはマザーボードが対応している必要があります。
また、ゲーム側でも対応していないと、せっかくグラフィックボードを複数枚搭載しても1枚分の性能しか発揮できないこともあります。
さらに、パソコンのパーツの中でも極めて消費電力の大きいパーツである、グラフィックボードを複数枚搭載するので、パソコン全体の消費電力も跳ね上がります。
効果は絶大ですが、デメリットも大きいので、よくよく考えてからにした方が賢い選択ですね。