RAIDとは複数台のHDDを組み合わせて仮想の1ボリュームとして認識させる技術です。
複数のHDDを組み合わせることで、1台のHDDで動作させるよりも高速化や冗長性を高めることが可能となります。
*2台のHDD、個別に使うこともできるが、1台のHDDとして動作されることもできる
RAIDには複数台のHDDと、RAIDに対応したチップセットが必要で、OSのインストールの時点でRAID用のドライバを一緒にインストールしなくてはなりません。
容量や速度、冗長性などはRAIDの種類によって大きく異なり、使っている環境に最適なRAIDを構成しないと逆効果になることも多々あります。
これらの理由から、なかなか初心者には敷居が高い技術ですが、うまく活用すれば性能を高めたり、データをより強固に保護できたりと、RAIDの利点を生かすことができればよりパソコンの利便性を高めることができます。
RAIDの基本的な注意点として「同じ容量で、同じ性能のドライブ」を組み合わせるという点を留意しておきましょう。
容量が違ったり、性能が違ってもRAIDは構成できますが、容量の少ないドライブに合わせられたり、性能が低いドライブに足を引っ張られたり、さらに相性問題が発生することもあります。
このためRAIDは原則的に同じ型番のHDDで揃え、可能であれば生産時期も同じもので揃えるのが理想となります。
まずは、RAIDに使うチップセットやRAIDカード、RAIDの種類の説明から入ります。
RAIDに使うハードウェア
RAIDに対応したハードウェアには、マザーボードのチップセット、RAIDカードのコントローラなどがあります。
マザーボードのチップセットにはCPUの制御から拡張カードの接続など様々な機能が統合されていますが、その中にHDDなどを繋ぐSATAの制御もあります。
SATAの速度(規格)は何か、SATAを何ポート接続できるか、そしてどんな種類のRAIDを使用できるかといった仕様は、マザーボードのチップセットによります。
マザーボードにはチップセットの他に、さらにSATAポートを増やすために拡張チップが搭載されている場合もあります。
そういったチップでもRAID機能を持ったものがあります。
*マザーボードのSATAポート、このマザーボードの場合橙の6ポートがチップセット、紫の2ポートが拡張チップで制御されている
実際には、マザーボードの仕様表のスペックを見て、SATAのポート数やRAIDの対応を調べるといいでしょう。
RAIDカードは、SATAの拡張カードでRAID機能を持ったものです。
ピンからキリまであり、SATAの拡張カードにおまけ程度にRAID機能があるものから、専用のチップを搭載し高速な処理やチップセットでは不可能な高度な機能に対応したものまであります。
*低価格なRAIDカード、SATAが2ポートでRAID 0/1 JBODに対応している
マザーボード自体にRAID機能が無い場合や、マザーボードではできない高度な設定をしたい場合、マザーボードのポートを使いきってさらにHDDを増設する場合などにこういったRAIDカードを利用します。
この他、当然ながらRAIDには複数台のHDDが必要になります。
次項からのRAIDの種類では、種類ごとの最低限の必要台数も説明してまいります。