GeForce GTX980Tiが登場したことで、GTX9xxシリーズも主要なグラフィックボードが出揃った感があります。
一世代前ですが今も現役のGTX750Tiも含めてゲーミングパソコンで使われるGPUをいくつかご紹介、比較してみましょう。
まずはそれぞれのスペックをご紹介
主要GeForceスペック
GPU | GeForce GTX750Ti | GeForce GTX960 | GeForce GTX970 | GeForce GTX980 | GeForce GTX980Ti | GeForce GTX TITAN X |
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GPUクロック | ベース1020MHz/最大1085MHz | ベース1127MHz/最大1178MHz | ベース1050MHz/最大1178MHz | ベース1126MHz/最大1216MHz | ベース1000MHz/最大1075MHz | ベース1000MHz/最大1075MHz |
メモリ帯域 | 86.4GB/s | 112GB/s | 224GB/s | 224GB/s | 336.5GB/s | 336.5GB/s |
メモリ インターフェイス | 128bit GDDR5 | 128bit GDDR5 | 256bit GDDR5 | 256bit GDDR5 | 384bit GDDR5 | 384bit GDDR5 |
メモリ容量 | 2GB | 2GB | 4GB | 4GB | 6GB | 12GB |
CUDAコア数 | 640 | 1024 | 1664 | 2024 | 2816 | 3072 |
公称消費電力 | 60W | 120W | 145W | 165W | 250W | 250W |
補助電源 | 無し | 6pin | 6pin×2 | 6pin×2 | 6pin,8Pin | 6pin,8Pin |
それぞれの紹介
GeForce GTX TIATAN X
実売価格17万円前後
現行の最上位のグラフィックボード。
ゲーム用途では最高の性能を誇る。
予算は度外視で最高性能を求める人向け。
GeForce GTX980Ti
実売価格11万円前後
GTX TITAN XからからわずかにCUDAコアを削減して、メモリを6GBに減らしたモデル。
性能はGTX TAITAN Xに肉薄する。
価格的には現時的なラインで超高性能ゲーミングパソコンが欲しい人向け。
GrForce GTX980
実売価格8万円前後
新世代のGeForceとして鳴り物入りでデビューしたハイエンドGPU。
旧世代のGTX 780より性能が上がっているにも関わらず、消費電力は250Wから165Wと大幅に削減している。
消費電力と性能が、非常に高いレベルでバランスが取れており予算が許すなら是非選びたいGPU。
GeForce GTX970
実売価格5万円前後
高性能、省電力、購入しやすい価格と三拍子そろった完璧なGPU。
上位のGTX980より価格が大幅に安く、性能は近いところまであり、下位のGTX960とは格段に性能が違う。
4K解像度でのゲームプレイで十分なパフォーマンスを発揮する。
唯一の泣き所はメモリ回りの仕様で、実際はメモリ3.5GB程度のGPUだと考えるべき。
GeForce GTX960
実売価格3万円前後
アッパーミドルクラスのGPU、補助電源が6pin一つと省電力性に優れたモデル。
フルHD解像度でプレイをするにあたって高い動作性能を持つ。
購入しやすい価格、消費電力、十分な性能とコストパフォーマンスに優れたGPU。
GeForce GTX750Ti
実売価格2万円前後
補助電源不要のGPUの中では現行では最高性能を誇るモデル。
MMOなどのジャンルでは重宝する。
モデルによってバリエーションが多く、メーカー独自設計で小型モデルや、補助電源が必要なモデルなどもある。
どれがオススメ?
現行のGeForceでゲーム用途を考えると、ほぼGTX960かGTX970の二択となります。
GTX960は非常に完成度の高いGPUです。
人気のGPUなので各グラフィックボードメーカーからいろんなバリエーションモデルも登場しています。
画像のモデルはELSAのGTX960搭載グラフィックボードで、オリジナルファンを搭載しオーバークロックされたモデルです。
通常のGTX960よりも静音性が向上し、オーバークロックされた分だけ性能が上がっています。
3万円前後のグラフィックボードはどの世代でも人気が高いですが、消費電力が旧世代のGTX760から大幅に削減されているのでより全体的なバランスがとれたGPUに仕上がっています。
GTX970は下位のGTX960と比較して格段に性能が上がっているので、4K解像度のゲームを遊ぶ場合や、フルHDでも特に動作の重いゲームを遊ぶ場合に有力な選択肢となります。
これより上のGTX980まで行くと価格も大きく上がるので落とし所として適当なGPUでもあります。
このどちらかを選べば、価格的にも性能的にも間違いありません。
もちろん超高性能ゲーミングパソコンがほしい人はGTX980やGTX980Tiを選ぶべきです。
GTX750Tiも補助電源不要モデルや、スリムケースにも入るLowprofile対応モデルなら独自の価値が出てきます。
消費電力が60Wというのも魅力ですが、GTX960との価格差を考慮すると
「ちょっと頑張ってGTX960を選んだほうがいいのでは?」
という感じが強いですね。
3.5GB問題とは?
GTX970の説明でも少し触れましたが、GTX970には3.5GB問題という不具合があります。
GTX970はGTX980のメモリ回りの構造を流用しているのですが、発表当初はメモリ回りはGTX980と同じだといわれていました。
しかし実際にはL2キャッシュなどが7/8に削減されていて4GBのうちの7/8、つまり3.5GBしかフルに性能が発揮できないという仕様があります。
残りの0.5GB分は使おうとすると急激に速度が落ち込み不具合が発生します。
nVidia自体はこの問題を把握しているようですが、やや対応は曖昧で、問題も公表しているようなあんまり積極的にアナウンスしていないようなといった印象です。
一応は、ドライバにて極力3.5GBを超えるメモリを使用しないような動作になっていると公式からは発表されています。
また、「グラフィックメモリを4GB全て使うような作業では先にGPU側の処理が限界になるのでは?」ともいわれています。
メモリの限界が来るほど重い作業をするのであれば、GTX980などのさらに上位をGPUを検討した方が賢明でしょう。
実際はそこまで重いゲームをプレイすることも稀なのですが。
最近の高画質ゲームを、さらにMODバリバリで高fpsでプレイしたいとかじゃなければGTX970で十二分にその役をこなしてくれるはずです。