スマホやタブレットが普及してもう結構経ちますが、iOSとAndroidの戦いはまだ始まったばかり!
ということで、大雑把に今はどれがいいのかちょっと斜め方向から眺めてみようと思います。
今から新たにスマホやタブレットを買う人はもちろん、今すでに使っていて、次の機種変や買い替えで次はどうしようか考えている人も、あまりアテにせずに参考にしてください。
安定感のiOS
iOSはApple製のOSで、iOSを搭載している端末も、全てApple製です。
この点は安定感とサポートのシンプルさという点で大きなメリットがあります。
安定感ということでは、Apple側で想定外のことが起きにくい(起こらないわけではありません)ので、不具合が少なく、仮に起きても対応が早いという利点があります。
この点はOSの構造的に優れているからという訳でなく、OSを取り巻く環境的に問題が起きにくいということです。
反面、自由度の少なさという点があります。
当たり前ですが、iOS搭載製品はiPhone(iPodTouch)かiPadシリーズに限られます。
膨大な製品群があるAndroidと比べると、選択肢は非常に限られています。
もっともこの点は、迷わずに済むという利点にもなります。
一体何を買えばいいのかわからないAndroid搭載機器と比べると、iOS搭載のiPhoneなりiPadはせいぜい最新機種にするか1世代前のを選ぶか、色やストレージ容量、画面の大きさを選ぶ程度です。
選択肢の少なさがデメリットになっていると感じたことは少なくとも管理人はありません。
周辺環境もシンプルで対応がわかりやすい
iOSは対応機器の状況がわかりやすいという利点も大きくあります。
iOS用のアプリなどは、「iOS15以降対応」など非常に対応しているバージョンや機種がわかりやすくなっています。
使いたいアプリが、自分の使っている端末に対応しているかどうか簡単にわかります。
周辺機器にしても同様で、スマホケースや液晶保護フィルムなども、iPhone13対応など、しっかり機種がわかり、「これが使える、これだと使えない」というのがすぐにわかります。
また、対応製品も非常に多いことも利点です。
OS自体のシェアはAndroidの方が上でも、機種ごとの普及率だと小粒なAndroidでは、こういった対応製品が少ないため、対応する周辺機器が多いことは非常に大きな利点です。
有名製品はもとより、100均ですら、かなりのバリエーションの対応機器が見つかります。
このあたりのシンプルな対応環境は使うユーザー目線で考えればありがたい点といえます。
苦戦しやすいインターネットの接続もかなり簡単にできる
iOSのもう一つの長所と言えば、機械にあまり詳しくない素人にとって、つまずきやすい「インターネット接続」が非常に簡単にできるという点があります。
最近では昔と違ってNTTの回線を使ってインターネット接続をする人は減ってきました。
工事が面倒だし、インターネット回線とプロバイダの手続きも別にやらなければいけなくてわかりづらい…と感じる人も多いと思います。
多くの人はWiMAXなどを使ってインターネットを楽しんでいるので、昔よりも手続きは簡単になりましたが、肝心のスマホとの接続が上手く行かないというケースもよく聞きます。
しかしiOSを使っている人の場合はかなり簡単にできるので、どちらかというとこの部分でつまずくのはAndroid派の人が多いように感じます。
この点からも、「素人にはiOSの方が使いやすい」ということが言えると思います。
また最近は5G回線が使えるようになったことで、同じWiMAXでもかなり色々なプランがあり、使えるギガや料金も差が出るようになりました。
細かく説明するとかなり長くなってしまうので今回は省略しますが、iOSとAndroidそれぞれで接続手順があるので、気になる人はWiMAXの解説記事などを参考にしてください。
シンプルでわかりやすい、その反面も…
iOSというか、iPhoneはシンプルでわかりやすいですが、その反面シンプルすぎて、これが足りない!と思うこともしばしばあります。
例えば度々話題になる外部接続端子は、iPhoneの場合1つあるだけ、充電もイヤホンもパソコンと接続するUSBも周辺機器もここに接続することになります。
おそらく、Appleの美的感覚ではiPhoneに物理的にいろいろ繋ぐのは美しくないということなのでは?
「microSDカードのためのスロットとか、イヤホンのためのジャックだとか、電源のためのコネクタだとか、パソコンと接続するためのポートだとかいちいち用意するのはCoolじゃない、全部Lightningひとまとめにして、スタイリッシュに薄くするのがCoolなんだぜ?」
…という声が聞こえてくるようです。
データはiCloudでウェブ上に保存しイヤホンはBluetoothで接続しようということなのでしょう。
でも、実際のところ「なんでもこの端子に接続できる」というよりも、スマホの側面に配置できる程度の種類ぐらいなら物理的に用意してもらった方がわかりやすい気もします。
こういう点を考えると、iPhoneよりも、Android搭載のスマホで気に入る仕様のモノを探した方がいいという場合も出てきます。
多様性のAndroid
Androidは、Googleが大部分を牛耳っていますが、本質的に誰でも使えるフリーのOSで、スマホを作っているあらゆる会社が使うことができます。
そのため、非常に多種多様のAndroid対応機種が出ています。
↑Androidの大人気機種のSonyXperia、対応キャリアごとに違うモデルがリリースされていてバリエーションは多い。
Android端末は現在、低価格製品と高級製品の二極化が進んでいますが、その二極化の両極に大量の製品が登場しています。
特に3万円以下の低価格の製品は、SIMフリー端末が格安SIMとの組み合わせで大きな注目を浴びていてかなりの賑わいを見せています。
↑中には一万円以下という格安Android端末も…
非常に多様な選択肢がありますが、その反面、サポート面ではややカオスな状況に陥ってる部分もあります。
端末に不具合があった場合、ハードウェアの不具合なのかソフトウェアの不具合なのか、両者の相性問題なのか解決に時間がかかる場合があります。
例えば、異常な発熱をするという不具合がハードウェアの設計自体に問題があるのか、ソフトウェアが過剰な負荷をかけて発熱しているのか、ハードウェアの使い方をソフトウェアが間違えているのか、どこに原因があるのか解明するのに時間がかかるわけです。
ひどいものになると解決しないままほったらかしになっているも機種によってはあります、問題が解決しないまま後継機が出てきて、また不具合が発生していたりということも。
ややこしすぎるバージョン環境
AndroidのバージョンはiOSに比べると非常にややこしくなっています。
iOSの搭載端末は「何世代先まで対応」という感じでサポート期間が決まっていて、最新版にアップデートすればいいという感じですが、アンドロイド端末は、アップデートの状況がマチマチです。
何故かというと、メーカー、キャリアなど端末によって、対応機種がマチマチすぎて、最新バージョンに対応しているかどうか、対応するのかどうかが分かれているためです。
Androidはキャリア毎、メーカー毎にカスタマイズすることも可能なため、それぞれ独自機能を追加していることも多く、そのあたりの対応も必要なこともあるでしょう。
また、アップデートに関する不具合などもハードとOS両方ともAppleが作っているiOSと比べると対応しにくいこともその問題を加速している一端です。
そのため、最新バージョンへアップデートされにくく、異なるバージョンが多く混在しているというややこしい状況です。
この状況はアプリの対応もややこしくしています。
アプリの対応も不透明
Androidは様々な端末があります、端末ごとに色んなバージョンのAndroidを搭載しており、さらに端末ごとにAPUやメモリの性能、搭載している機能が違います。
このため、どんな端末でも使えるような軽くてシンプルなアプリならば、対応状況も良いのですが、3D表示をするような重いゲームの場合、Androidのバージョンや対応している端末も違ってきます。
ある程度のスペックが必要となるアプリの場合は、推奨端末がアナウンスされていることもありますが、膨大なAndroid端末の数からすると推奨端末も数もかなり限られます。
↑Android版マインクラフトポケットエディションの説明「端末により異なります」の文字が3つ。
結局のところ、公式が発表している推奨端末よりも、同じ機種を使っているユーザー同士での情報交換の方が、情報が早くて正確ということも有り得ます。
特にスマホで人気のリズムゲームなどは、「この機種の場合、アプリ自体は動くけど反応が悪い」や「背景の設定を落としたら、この機種では快適に動く」など公式のコミュニティや有志のWikiや掲示板などでの情報共有の方が当てになることも少なからずあります。
その点を考慮すると目当てのゲームがある場合は、iOSの方が有利という場合もありえます。
独自機能は盛りだくさん。
iPhoneは外部接続がLightningコネクタに集約しているなど、端末自体はシンプルになってきていますが、物足りない、これがあったらいいのにと思うこともしばしばあります。
それに対してAndroidは端末自体が各メーカー、キャリアごとにバラエティに富んでいるため、独自機能が盛りだくさんという機種も多くあります。
というより、初期の頃はそれこそiPhoneに対抗するために、iPhoneが搭載していない機能を搭載していたり、国内キャリアに提供しているメーカーはガラケーからの資産を引き継いた機能を搭載していたりしました。
microSDが使えるだとか、ワンセグチューナーどころかフルセグチューナーを搭載していたり、日本国内で広く普及していた「おサイフケータイ」を使えるなど、日本独自のガラケーからの機能を引き継ぐような機種変などでは、iPhoneよりも便利だったりします。
イヤホンジャックのような、今まであって当たり前だったものが、スマホになってもあるというのも大切な要素ではないかと思います。
特にSONYのXperiaのようなハイレゾ対応高級機を謳っているのであれば、より多くのイヤホン、ヘッドホンが選択肢に入るので従来のイヤホンジャックは重要度が増すはずです。
microSDは便利
地味にmicroSDが使えるというのは重要な要素で、本体の容量をさほど気にしなくて良いというのはありがたい点です。
アプリ類は本体の記録領域を使って、写真や動画、音楽など容量も増えるし際限なく増えるモノをmicroSDにしておくと便利です。
↑SanDiskや東芝みたいな人気メーカーのmicroSDでも32GBで1500円ぐらい。
入れっぱなしでもいいですし、デジカメのカード交換感覚で入れ替えながら使いまくってもいいですね。
特に最近はmicroSDはかなり低価格化していますので、さほど容量を気にせず気軽に使えます。
iPhoneはこれからもmicroSDスロット付けないでしょうし、この点は大きな利点でしょう。
プレイできるゲーム環境が結構違う
ゲームにとって、スマホは一大市場となっていて、ゲーム目的でスマホが欲しいという人も少なからず居ることでしょう。
先述したAndroidのアプリ対応もあり、人によっては機種変の理由がゲームアプリのプレイということもありえるのではないでしょうか?
そんなゲームの対応もiOSとAndroidでは結構差が出てきています。
以前はゲームの対応などはiOSが優勢で、iOSでは配信されてるけどAndroidには対応していないというゲームも多かったのですが、最近ではそのあたりの事情も変化が訪れつつあります。
ゲームアプリのiOS
アプリでの配信ということであると、Androidはやはりややこしいバージョンの関係や、スペックの関係からも、iOSに分があります。
特に初期の頃は開発にとってもこの点はメリットであったらしく、一昔前のスマホアプリの場合、iOS版はあるけど、Android版は存在しないゲームアプリなども少なからずありました。
最新のゲームはiOS版とAndroid版の両方がリリースされることは多くなっていますが、二年前、三年前ぐらいのゲームをプレイする時はiOS版しかなく、移植される予定も無いという場合もあります。
マルチプラットフォームでも、iOS版の方が先に出るということも多い傾向にあります。
もちろん、Android版しかないゲームもありますが、今のところiOSでしかできないゲームのほうが多いでしょう。
今後はともかく、過去の資産を考えるとゲームアプリではiOSの方が有利ですね。
ブラウザゲームのAndroid版
iOSに対してAndroidが有利なのが、ブラウザゲームのAndroid版です。
パソコンでお手軽にプレイできるブラウザゲームは現在大きなブームとなっていますが、そのスマホ版を併せてリリースしている場合もあります。
ブラウザゲームでは業界大手のDMM.ゲームズなどは多くのタイトルでAndroid版もサービス提供していますが、iOS版はAndroid版よりも少ない状況です。
特に人気の高い「艦隊これくしょん」がAndroid版しかないため、余計にそう感じてしまいます。
艦これを外でも遊びたいというか、外出中も遠征を回したいという人は多いはず
もちろん、サービス提供している会社によっては、ブラウザゲームのスマホ版もiOS中心ということもあるので、プレイしているゲームをスマホでもやりたいという人は対応を調べておくと、選びやすくなります。
Jailbreakとroot化
iOS、Android共に、共通している点として、どちらもユーザーがOSのうちいじれる部分は限られているという点です。
とはいえ、不必要に制限をかけているわけではなく、根本的にユーザーが自由にいじっては危険な部分には触れないようにしているだけです。
家に例えると、住人が自由に家具を買ったり模様替えしたりできるようにしているが、コンクリートの基礎だとか水道の配管などは触れないようにしてあるような感じです。
自由にいじって楽しめる部分はとことん自由にしてあり、専門知識無しに触れては危険な部分はタッチできないようにしてあるわけです。
しかし、この制限も解除する方法はあります。
iOSではJailbreak(ジェイルブレイク)もしくは脱獄、Androidではroot化という方法です。
厳密には言葉の意味が違いますが、iOSではJailbreakと呼ばれてて、Androidではroot化と呼ばれているのでそのままここでは説明します。
これらの行為は具体的には、見た目のカスタマイズのさらなる自由度、本来削除できないアプリの削除や改変、非公式アプリのインストールなどを目的として行われます。
しかしこういった行為はそれ相応の危険度を併せ持ちます。
起動できなくなるほどのOSの破壊や、ウイルス感染などセキュリティ上の致命的なダメージなども有り得ます。
公式サポートの対象外ということで、動かなくなるアプリなどもあるのでその点も要注意ですし、そういったアプリは脱獄やroot化で動かなくなるというアナウンスはわざわざされません。
iOSのJailbreak
AppleはiOSのJailbreakは対策すべき行為であり、想定外の使い方としています。
著作権保護されているプログラムを侵害する行為であるという見解で、常に対策されています。
檻を破るJailbreakですが、その檻は自由の妨げではなく、脅威から身を守るためのものでもあるわけです。
世紀の大脱獄囚五寸釘寅吉、iPhoneの脱獄とは関係ないです
Androidのroot化
Androidのroot化、rootとは管理者という意味です。
Windowsで言うところのAdministratorで、OSの根本的な部分までいじれる権限のあるアカウントです。
この管理者権限んで使えるようにする作業がroot化で、本来無効化されている機能まで使用できます。
Googleでは、Androidのroot化を公式にユーザーの権利として認めています。
ただし、公式と言ってもサポート対象外、全てユーザーの自己責任の範囲としてです。
しかし、それはあくまでOS開発したGoogleの見解でメーカーやキャリアによって対応もマチマチです。
root化のための非公式アプリの対策を行っているメーカーもあれば、あくまで非公式とした上で開発支援しているところもあれば、最初からroot化できるようにして出荷しているメーカーもあります。
root化が目的でAndroidを選ぶというのであれば、最初からroot化しやすい端末を選ぶのが吉です。
最終手段、両方持つ
ここまで、いろいろと斜めから見た比較してみましたが、これらの対応の差に関して一つの解決策があります。
それは最終手段として、両方持つということです。
と言っても、別にスマホを2台持つというわけではなく、iPhone+Androidタブレットだとか、Androidスマホ+iPadのような選択肢もあります。
スマホ2台持ちにしても、機種変した古い機種を格安SIMで使ったりwi-fi専用で使うなどの方法もあります。
iPhone 6s以降はSIMロック解除ができるため、現在大手キャリアのiPhoneを使っている人も解約後にあまり金銭的負担がなく2台持ちにすることもできるでしょう。
もっとも、そういう使い方だとスマホがただの電話になるか、タブレットが文鎮になるか、もっと単純に片方しか使わなくなることも多いのですが。
まとめ
iOSとAndroidを大雑把に比較しましたが「結論としてはどっちでもいい」というのが正直なところです。
便利で人気が高いサービスは、どちらにも提供されるので大きな差にはなりにくいというのも理由です。
機種変などで乗り換える機会だという時は、不満があるなら別のにしてみるのもいいという程度です。
ただし、Androidを使っている人がiOSの端末に変更する時は、選択肢も少なくあまり悩まなくてもいいですが、iPhoneを使っている人が次はAndroidという時はやたらと選択肢が多くて悩みどころです。
また、iPhoneの対抗馬となるような機種はiPhoneよりも値段が高いことがザラです。
こういった点も踏まえて、その時その時で、どの機種にするか、次はどれを買うか悩むのが楽しいのだと思います。
最後に、重ねて言いますが、どちらを選んでも間違いありません。
あなたが選んだモノがあなたにとって一番良い選択です。