自動車整備士の友人いわく、整備の基本は掃除だそうです。
汚れた部品は十分な仕事ができず、綺麗な部品は性能を100%発揮できるそうです。
パソコンの関係者としては、それはなにも自動車にかぎらず、パソコンでもそのとおりだと主張したいところです!
パソコンは長期間使っていると、なんだかんだで汚れてきます。
その汚れは、パソコンの性能低下や故障を引き起こす原因となります。
そんな汚れを取り除くお掃除をしてやれば、パソコンは元気に動いてくれるというわけですね。
ただし、内部の掃除が可能なのはほぼデスクトップパソコンのタワー型に限られます。
ノートパソコンの内部を清掃するには分解しなくてはなりませんし、一体型のデスクトップは非常に複雑な構造をしています、中には分解防止する構造をしているパソコンもあり、仮に分解できても元に戻すのが困難という場合もあります。
パソコンの汚れはほぼホコリ
パソコンの汚れ、その原因はほぼ「ホコリ」です。
ケースの外側はともかく、内部に限っていえば、ほとんどがホコリで汚れています。
久しぶりに中を開けた旧世代のデスクトップ、見るも無残なホコリだらけの内部…
冷却ファンが空気を吸い込む時に一緒にホコリも吸い込み、内部にホコリが付着します。
静電気でホコリが付着しやすいというのもありますが、特に汚れるのが直接ホコリに触れるファンと、風の通り道で複雑な形状をしているヒートシンクですね。
ファンやヒートシンクにホコリが溜まると、冷却に影響を及ぼし、放熱が不十分になり熱暴走を起こしてパソコンの不調につながります。
各種電子部品は熱によって寿命が縮まるので、不十分な放熱では壊れやすくなってしまうので要注意です。
ホコリに水分やヤニでさらにやっかい
ホコリは他に、水分を吸着させて、回路がショートすることもあります。
そうなると、パソコンが正常に動作しなくなり、電源が入らないや再起動を繰り返す、パーツを認識しないなどの不具合が起こります。
水分以上に注意が必要なのが、タバコのヤニです、喫煙者でパソコンを使いながら喫煙する人は特にパソコンが汚れるということを留意しましょう。
ホコリにヤニが付着しもうそれは見るもおぞましい状態に…
他にも、ダイニングキッチンにパソコンを置いている家庭や、ワンルームマンションでキッチンの近くにパソコンを置いている場合などは、油分がホコリに吸着されることもあります。
毛の細かいペットを飼っている場合はホコリと一緒に吸い込むこともあります、とはいえ、まとめると、ほぼ「ホコリ」といってもいいでしょう。
このホコリを取り除くのがパソコンのお掃除です。
基本はエアダスター
パソコンのお掃除、ホコリの除去には何を使えばいいか?
結論から言ってしまうと、ほぼ「エアダスター」で済みます。
エアダスターは簡単に言うと、ホコリを吹き飛ばすために空気を噴射する道具です。
エアブロアーと呼ぶことも有ります。
簡易なポンプが付いたものや、エンジン付きの本格的なエアコンプレッサーなどもありますが、パソコンで使うのは主にスプレー缶タイプのモノが簡単で便利です。
わざわざ専門の道具買わなくても、ファミコンカセットのごとく、息で吹き飛ばせば?と思うかもしれませんが
人に息には水分が多く含まれているので、パソコンのお掃除には向いていません。
残ったホコリに水分が付着してカビが生えたり…ということもありえます。
スプレー缶タイプのエアダスターは、電気屋、パソコン専門店、カメラ屋、ホームセンターなどなどで手に入ります。
いろんなメーカーから発売されてますが、メーカーによる違いは値段と容量以外に大差ありません。
それよりも、スプレーが逆さでも噴射できるタイプが便利なので、ちょっと高いですがそのタイプの製品を選びましょう。
可燃性ガスを使用している製品も多いので、使う時は火気に気をつけましょう。
ちなみに、管理人は特価で販売してる時にまとめ買いしています、まとめ買いしすぎて、2年前に買ったのが未だに何本かストックされています。
エアダスターの使い方
エアダスターの使い方は簡単です、パソコンケースの蓋を開けて、ホコリが溜まっているところに噴射するだけ!
なのですが、あらかじめ下準備をしておきましょう。
まずは、ケースからケーブルを全部外し、パソコン周りのホコリも掃除機で先に軽く吸っておきます。
このあたりはパソコンのというより、普通のお掃除と変わりませんね。
エアダスターを使ってパソコン掃除をすると、ホコリが激しく舞い上がるのでベランダや庭などで吹き飛ばすか、掃除機や空気清浄機で舞い上がったホコリをすぐに吸えるようにしておきましょう。
ホコリはだいたい吹き飛びますが、ヒートシンクの周り、特にCPUクーラーの辺りはホコリが固まってダマになることが多くあります。
そういった時はピンセットなどでダマになったホコリをツマみ取れば大丈夫です。
タバコのヤニを吸着したホコリは特に塊になりやすいので、ピンセットの出番も多くなると思いますが基本はエアダスターで吹き飛ばして塊になったモノはつまめば問題ありません。
エアダスターを使ったあとはまた部屋が軽く薄汚れていると思うので再度きちんと掃除をすればOKです。
あんまり躍起になって、隅々まで新品同様に掃除しようと思わないことがコツです。
洗いたい部分に無水エタノール
エアダスターよりちょっとマニアックなお掃除道具に「無水エタノール」があります。
文字通り水分を含まない度数99%以上のエタノールです。
水分を含んでいないため、電子部品の洗浄にも使えます。
取り扱いには注意が必要で、まずは火気厳禁、灯油よりも引火しやすいです。
気化しやすいので、蒸気を吸い込んでしまわないように換気などにも気をつけましょう、気化したエタノールなので、吸い込むと酔います、特にお酒に弱い人は注意です。
使い方としては、端子部分の汚れが気になる場合など、綿棒やクリーニングクロス、化粧用コットンなどに染み込ませて使います。
少量ずつピンポイントに使用しましょう。
エタノールが染みこんだこれらはやはり燃えやすいので捨てる時も注意です。
水が含まれていないため、ぶっかけても大丈夫な気がしますしますが、割といいお値段がするものなので、そんな勿体無い使い方をしたことはありません。
そんなに大量に使うと揮発性が高いので、気化したエタノールを吸い込んで酔ったり、火が引火したりする危険があるので、やっぱりぶっかけない方が良さそうですね。
汚れを落とす力も強いため、電子レンジだとかトイレだとかの掃除にも使えます。
タッパーなどの密閉容器の臭いを落としたり、冷蔵庫の庫内を布で拭くときにも使えます。
成分はほとんどエタノールなので、洗剤などより人体への影響もないので、こういった場所の掃除にも使えるようです。
ただし、揮発性が高く、直接肌に触れると水分を奪って蒸発するので指がカサカサに乾燥して荒れたりします。
もっとも、管理人は気にせず、素手で扱っていますが。
この無水エタノールは、成分の関係上電気屋などでは販売されていません。
薬局で取り扱っているので薬局の店員さんに尋ねましょう、店頭には出ておらずカウンターの中で扱っているはずです。
価格は500mlで1000円前後です。
飲み物ではないのに酒税相当の税金が掛かっているという納得しずらい面もあります。
くれぐれも飲まないようにしましょう!
無水エタノールこぼればなし
無水エタノールこぼればなしということで、以前無水エタノールをこぼしてしまった時の話をします。
蓋をしっかり締めずに置いてしまい、間の悪いことにその状態でボトルを倒してしまったのですが、こぼれたエタノールが畳にしみこんで、染みになってしまいました。
使い終わったら蓋をしっかり締めるようにし、布などに染み込ませるときも、下に新聞紙やビニールなど何か敷いておいた方がいいでしょうね。
それともう一つ無水エタノールの話題を。
「飲み物ではありません、飲んではいけません」と言いましたが、とある本で実際に飲んだ話を目にしたことがあります。
食生活研究家、ギタリスト、古道具屋店主、ペーパーナイフ作家など様々な肩書を持つ魚柄仁之助さんの著書でエピソードが紹介されていました。
簡単に内容を抜粋すると
「学生時代に、学生仲間が研究室から持ち帰った局方アルコール(無水エタノール)を、みんなで飲もうと思ってウイスキーと同じ濃度まで水で割ったが飲めたものじゃなかった。
とりあえず、部屋に置いておくと、以前人からもらったサントリーオールドの空き瓶が目についたので、上手いことやったらサントリーオールドっぽくなるんじゃないか?と考えサントリーオールドっぽい割り材を考えて試してみた。
紅茶と甘露飴とキャラメルでアルコールを割り、バニラエッセンスとレモンで味を整えると局方アルコールがかなりサントリーオールドっぽくなり、オールドの瓶に詰めて仲間が酔っ払ったところに出したらみんな局方アルコールだと気付かずに全部飲んだ」
というエピソードが書かれていました。
だからなんだと言われるとそれまでですが、パソコンのお掃除用品とばかり思っていたこの無水エタノールをそういう風にして飲む人が居たとは…
と、部屋の片隅の日の当たらない場所に置いている透明の液体が入ったボトルの眺めつつ、こいつにもそんな一面があるんだなと妙な感心をしたことがあります。
念のため、再度言っておきますが、くれぐれも飲まないように!
禁断の水洗い
無水エタノールの話をしたところで、今度は反対に水洗いの話をしましょう。
先に言っておきますが、くれぐれも水洗いしないでください!
壊れても責任持てません!
(もっとも、水洗いにかぎらずここに書いてある通りやったのに壊れたと言われても責任持てませんが)
なぜ、電子部品が水で壊れるかというと、濡れてるところ電気が流れると回路がショートするからです。
逆に言うと完全に放電した後で、水洗いして、その後完全に乾かせば壊れずに綺麗に洗えるということです…理論上は
実際に水没したスマホやケータイをきちんと乾燥させた後なら再度起動したという話はよくあります。
と思って、大昔に実際に古いデスクトップパソコンを水で丸洗いしてみたことがあります。
結果はというと、一度目は綺麗になり無事起動しましたが、なんか掃除する前より調子が悪くなりました。
二度目は無残にも起動不能となりました、見た目的には綺麗になっただけで異常は見当たりませんでしたがうんともすんともいわなくなりました。
乾燥が十分でなかったのか、それとも見た目ではわからないけど、基盤に水がしみ込んでしまったからか、定かではありませんが、とりあえずそういう結果に終わりました。
結構ネット上ではパソコンを水洗いしたという話を目にしますし、パソコン雑誌でも格好のネタなのかよく見かけますが、とりあえず管理人の場合はそういう結果に終わったとだけ報告しておきます。
ちなみに、ケース外側の端子のないとことかなら濡れ雑巾で拭いても大丈夫だと思います。
その他の道具
パソコン内部の清掃で特別用意するのはエアダスターだけで十分でしょう。
外装用ではパソコンお掃除用のクリーニンググッズもいろいろあります。
ホコリ取りのブラシや汚れを落とすウエットティッシュ、液晶用のクリーナー、光学ドライブ用のレンズクリーナーなどなどです。
いずれも値段は数百円というところです。
キーボード用のキートップ引き抜き工具などもお掃除用品の一つですね。
専用の品以外では、綿棒やピンセットなどがあると便利です、無水エタノールを使う場合は染みこませる用に、ティッシュや化粧用コットンなども用意しておきましょう。
面倒ならば、もう一度いいますが「エアダスターだけでも十分」です。
あんまり神経質に掃除し過ぎると逆に壊してしまう可能性もあります。
たまにケースを開けてエアダスターでホコリを吹き飛ばすぐらいがちょうどいいパソコンのお掃除です。