ここ数年、パソコンの購入相談などでよくオススメされている、格安パソコンのメーカーといえばASUSです。
知る人ぞ知る、どころか、パソコンユーザーの間では超がいくつも付くほど超有名メーカーなのですが、一般的な知名度ではまだまだ浸透していない感があります。
今回はそんなASUSの魅力と特徴を説明します!
ASUSってなんて読むの?
ASUSは、ASUStekとも書き、読み方は正式な読み方は「エイスース」です。
…ですが、これは最近になって日本公式から発表された読み方で、従来は「アサス」「アスース」当たりの読み方をされることが多いようです。
かくいう管理人もアサスと呼んでいます。
正直なところ、あんまり馴染みのない読み方が公式にされたので、戸惑っている人も多いようです。
まぁ、公式の発表がイマイチなじまないのはのはよくあることです。
自衛隊の89式小銃を公式愛称の「バディー」で呼んでる人を見たことがないのと同じですね。
ASUSはどんなメーカー?
読み方についてわかりにくい例を上げたところで、どんなメーカーかというと
台湾のPCの総合的なメーカーで、部品から本体まで作っているメーカーです。
日本のパソコンメーカーは、あんまりパーツを作ることはありませんが、海外ではパーツも本体も作っているメーカーは結構あります。
ASUSは特にマザーボードで有名なメーカーで、自作市場においては、シェアナンバーワンのメーカーで、絶大な支持を得ています。
ことマザーボードにおいては、標準的な製品で高い人気をほこり、ハイエンドゲーマー向けの製品でも第一に名前が挙がるメーカーです。
かといえば、低価格な製品からラインナップされており、サーバー向けの製品でも通常のパソコンショップに並ぶほどの人気を得ています。
他にも、グラフィックボードも高い人気を誇っており、先進的な製品を販売して、ヘビーユーザーから人気が有ります。
自作においては、ゲーマーが重視するマザーボードとグラフィックボードの2つのボードで高級製品を作っているため、非常に知名度の高いメーカーとなっています。
ネットブックで有名に
パソコン本体に関しては、パーツほど知名度は高くなかったものの、あるパソコンの販売をきっかけに日本国内でも有名になりました。
それはネットブックのEeePCです。
↑大ヒットしたのがIntel Atomを搭載したこの901-Xというモデル
当時は小型パソコンといえば、高級品というのが常識でしたが、ASUSはネットブックというネットを出来る程度の性能の小型軽量な新たなパソコンを画期的な199$という価格で販売し、一躍一般への有名メーカーとなりました。
WindowsXP搭載で299$、日本での実売価格は3万円台(定価は5万円ぐらい)というこれまでの常識を覆す価格だったことは鮮烈に覚えています。
当時はモバイルブロードバンドも登場し始めた頃で、eモバイルとの同時契約なら100円で買えるというキャンペーンもありましたね。
このように、当時日本中を席巻したネットブック旋風の先端を切ったのは実はASUSだったのです。
なお、その後、ネットブックのデスクトップ版ともいえる、ネットトップという低価格パソコンも販売しましたが、そっちは微妙な売れ行きでした。
そんな感じで、大ヒットしたり、そんなに売れないモノも作ったりしながら、ASUSはパソコン本体でも低価格路線で市民権を得つつ日本国内において、一定の地位を獲得しました。
サポート面は?
ASUSのサポート面に関しては日本法人があることから、電話サポート、メールサポート、チャットサポートと充実しています。
電話サポートは結構混んでいるようで待たされますし、メールなど不具合の場合に何度もやりとりする場合は時間がかかるようです。
このあたりはさすがにNECや富士通あたりのナショナルブランドに比べるとやや見劣りします、もっとも、NECや富士通だって電話サポートは混雑してますが。
修理対応などは、海外メーカーということで製品によりマチマチです。
当たり前ですが国内に修理工場がある製品だと早いですが、修理が海外になる製品だと時間がかかるという感じです。
メーカーに直接連絡して、修理に出す場合と、販売店や代理店から修理に出す場合がありますが、メーカーに直接修理に出す場合は修理状況などがホームページから確認もできます。
もっとも、結局はASUSに修理に出すことなるので、店舗保証に加入していない場合は直接ASUSに連絡したほうがいいようです。
どんなパソコンが人気?
ASUSのパソコンは店頭でもよく見かけるようになりましたが、実際には通販サイトで見かけることの方が多く思います。
実際の購入相談などを見ると、ASUSのパソコンがほしいというより、「そこそこのスペックで安いパソコンは無いか?」という相談でASUSの名前が挙がるということの方が多いようです。
もしくは通販サイトで、「ASUSのパソコンが安いけど、ASUSってどんなメーカー?」という疑問からASUSってどうなの?ということでASUSが気になることもあるようです。
話の順序が逆になりましたが、ようするに安いメーカーということで気になる人がほとんどです。
実際、低価格モデル以外でASUSのパソコンが気になるというとことはあまりないでしょう。
それ以外のモデルだと、超小型パソコンなどもラインナップされていて、こちらは低価格のモデルとそこそこの値段がするけれども小型高性能というモデルがあります。
現在はこういう状況ですが、ASUSのことですから、また意外なニーズを掘りほこして一世を風靡する人気モデルもまた開発してリリースするのではないでしょうか。
ChromeOS搭載モデルも特徴的
ASUSのノートパソコンのラインナップの一角に、超低価格パソコンとして、Windowsではなく、ChromeOSを採用したモデルも販売しています。
ChromeOSはGoogleが開発したLinuxベースのフリーのOSで、名前のChromeOSの通り、GoogleChromeでウェブ閲覧をするのを主目的として、ウェブ用のパソコンOSとして開発されています。
ASUSでは、このChromeOSを搭載して、Windowsノートよりも安いノートパソコンを販売しています。
以前のパソコンユーザーはOffice用途が主でしたが、最近のパソコンユーザーはウェブ閲覧がパソコン用との9割方を占めている(管理人の偏見)ので、こういった仕様でも問題ないのでしょう。
OSとしての機能も、ほぼほぼGoogleChromeに集約されているので、GoogleドキュメントでOfficeソフトを利用し、Googleフォトで写真を編集、管理するというパソコン本来の使い道もあります。
ASUSはこのChromeOS搭載パソコンをリリースする主なメーカーの代表格の一つでもあります。
非常に幅広いラインナップ!
価格.comのような、色々なショップが登録している通販サイトでASUSのノートパソコンを調べると値段もスペックも幅広い膨大な数が見つかります。
パソコン専門店や、家電量販店、ごくごく普通の電気屋までもASUSのノートパソコンは置いていますが、やはり多くの種類を取り扱っています。
この通り、ASUSのノートパソコンは数多くのラインナップを揃えています。
この点は非常に選択肢が多く、値段とスペックの好みのものが選べるという利点が…と言いたいところですが、選択肢が多すぎて訳がわからないということも多くあります。
多少なりともパソコンに詳しい管理人がメーカーホームページを見ていても、なんでこんなに細かく訳がわからないほどラインナップが多いんだと思うほどです。
実際のところ、価格ドットコムやメーカーホームページを見て「このモデルが欲しい!」と決め打ちするよりも、値段とスペックを見て「これがいいかな」という感じで選ぶべきものです。
ASUSの製品はシリーズ数も多いので、別系統のノートパソコンで、同じぐらいの値段で同じぐらいのスペックの物が並んでいるということもよくあります。
ノートパソコンのシリーズを大雑把に紹介
ややこしいラインナップのASUSのノートパソコンですが、軽くどういったシリーズがあるのか大雑把にご紹介します。
ZENBOOKシリーズ
スタイリッシュなデザインのシリーズです。
薄型モデルや、軽量モデル、マルチメディア向けのモデルなど様々なモデルがリリースされています。
共通項は「薄型・軽量」というだけで、やたらとバラエティ豊かなのが、ASUSのラインナップをややこしくしている一端でもありますが…
しかしながらバラエティ豊富なため、小型なボティにうまくまとまった性能とASUSらしさが感じられ、人気のモデルです。
TransBookシリーズ
2in1パソコン、要するにノートパソコン+タブレットの最近流行りのコンバーチブルモデルです。
液晶を取り外してタブレットとしても使えたり、逆向きに取り付けてキーボード側をスタンドとして使ったり相手に見せたりといった用途で使えます。
低価格なモデルもあり、この手のノートとタブレット両対応なコンバーチブルパソコンは高級モデルも多い中、低価格なので手を出しやすいという魅力もあります。
ゲーミングシリーズ
別名ROGシリーズ。
ASUSの高給ゲーミングブランドにR.O.Gという製品群がありますが、その中のノートパソコンです。
高性能CPUに大容量のメモリ、ゲーミングGPUを組み合わせた驚異的なノートパソコンです。
ゲーム用途だけでなく、高性能なハイエンドノートパソコンとしての需要もあります。
中にはノートパソコン初となる本格的な水冷機構を搭載したモデルもあります。
正直なところ、水冷搭載モデルはノートパソコンとしてはどうなのというような製品ですが、見た目のインパクトは抜群です。
VivoBookシリーズ
タッチスクリーン搭載ノートパソコンシリーズです。
…とカタログには載っていますが、旧モデルなどはタッチスクリーンは搭載していないこともあるので注意が必要です。
正直なところ他のモデルもタッチスクリーン搭載パソコンが多く、ZENBOOKが多彩なためなんか影が薄い…という印象を抱くこともしばしば。
低価格なモデルはホントに安いので、ASUSのノートパソコンを使っている人はこのVivoBookシリーズを使うことが多いかと思います。
高性能なモデルや、最低限コレくらいは欲しいというスペックのモデルもあるため、ZENBOOK同様ASUSではよくお目にかかるシリーズです。
ChromeBookシリーズ
ChromeOSを搭載したシリーズです。
このシリーズだけ特徴がわかりやすくていいですね。
どのモデルも性能的にはネットが使えればいいと言った感じの構成です。
かといって、いかにも安物なのかというとそうでもなく、タッチパネル搭載モデルや、記録ストレージにフラッシュメモリのeMMCを搭載するなどうまくまとめています。
Nシリーズ
マルチメディア向けノートパソコンです。
サウンド、ヴィジュアル、パフォーマンスの三拍子揃ったところをセールスポイントとしています。
ノートパソコンながらサブウーファー搭載などサウンド強化したモデルや、4k液晶搭載モデルなど、モデルによりますが、いずれも音と映像と性能を兼ね備えています。
Xシリーズ
プレミアムスタンダードモデルを謳うシリーズです。
要するに一番一般的なモデルです。
SONYユーザーをはじめとしたパソコンに詳しい方々なら「X」と付いてるシリーズだから最上位グレードと思うかもしれませんが、別にそんなことはありません。
非常に低価格なモデルから、Core i7搭載の高性能なモデルまで様々あります。
その他
いろいろなシリーズがありますが、シリーズ名がつかない製品群も多種多様にあります。
ネットブックで一世を風靡したEeePCを始めとするEシリーズなどもありますが、VivoBookシリーズの中にEシリーズがあったりなど公式ページで複数のシリーズにまたがったモデルもいくつかあり、あんまり参考になりません。
ここまでシリーズを紹介しておいて何ですが、正直なところ、ゲーミングシリーズとChromeBook以外全部その他でもいいんじゃないかという気もします。
どちらかというと、シリーズ名を覚えておけば名前を聞いたら「あ、それってASUSのパソコンだね」って分かる程度のものです。
下克上や逆転現象もしばしば
ラインナップの多彩さもあるのか、ASUSの製品はたまに上位の製品の方が下位の製品よりも安いという逆転現象を目撃することも多々あります。
ラインナップが詰まりすぎていて、元々そんなに価格差が無いモデル同士の場合、上位製品が先に市場に登場して、値下げなどがあり、発売直後の下位製品の方が値段が高いということがたまにあります。
細かい違いを気にして「こっちのほうがいいんじゃないか」ということもありますが、あんまり気にしないで、その時お得だと思うモデルを買ってしまえば良いんじゃないかというのが管理人の意見です。
最近人気のスマホZenFone
ASUSの製品といえば、最近人気なのが、スマホのZenFoneシリーズです。
SIMフリー端末としてハイスペックでデザイン性もいいコスパ抜群のスマホです。
格安SIMのキャリア各社からも販売されているので、格安スマホを選ぶ人にはもうおなじみかもしれませんね。
ちなみに、スマホでもたまにややこしい製品があります。
最新モデルはZenFone3というモデルですが、旧モデルに5インチ液晶を採用したZenFone5というモデルがあります。
もうちょっと後先考えて名前を付けて欲しいところですね。
こういうこともあるので、ASUSのスマホを買うときは、いつ発売のモデルかもチェックしておくことをオススメします。
自分には関係無いようで関係あるマザーボード
冒頭でも言って再度言いますが、ASUSといえば、マザーボードのメーカーです。
マザーボードなんて自分には関係ないと思いきや、ショップブランドのBTOパソコンなどでは「ASUS製マザーボード搭載」というのが意外と重要なセールスポイントだったりします。
マザーボードは一見自分には関係ないところと感じますが、いざパソコンをいじりたい時に拡張性がなかったりすると「買った後でこれができない!」ということになったり、故障の原因になったりします。
BTOでパソコンを購入する人は、性能重視かコストパフォーマンス重視、あるいは自作はしなくともある程度をいじりたい人ではないでしょうか?
多少なりとも自分の手でいじってみたいという場合、ASUS製のマザーボードを搭載していると、その幅が広がります。
某知恵袋や某匿名掲示板でも「このパソコンにこのパーツは増設できるか?」という質問はよくありますが、メーカー製のデスクトップパソコンだと、増設できないところが、ASUS製のマザーボードを採用したBTOパソコンなら難なく増設可能だということがよくあります。
故障の原因になりにくいというのも、大きなセールスポイントです。
というのも、BTOにおけるマザーボードは体のいいコストカットの対象でもあり自作パソコンじゃとても選ばれないような安物の製品が使われることも多々あります。
その点、ASUS製のマザーボードを使っていると、自作でも人気のあるメーカーのマザーボードだけに安心感が違います。
もちろん、ASUS製のマザーボードにもピンからキリまであるのですが、わざわざセールスポイントとして記載されるぐらいのマザーボードならやはり安心感のあるモデルが使用されています。
ちなみに、マザーボードもノートパソコン同様、いくつかの特徴的なモデルを除いて、ラインナップが多すぎてかなりカオスな状況です。
↑2008年頃のメインストリームだった頃のIntelチップセットマザーシリーズの多さを揶揄したAA、今も似たような環境
まとめ、ASUSってこんなメーカー
ASUSというメーカーの特徴をざっくりと説明しましたが、ここまでの話をまとめると
- 初心者からマニアにまで人気のメーカー
- PCのパーツから本体、周辺機器まで作っている
- 最近はスマホも作っている
- ラインナップが多すぎてカオス
という感じのメーカーです。
品質面やサポート面もかなり安心度の高いメーカーです。
ラインナップ多すぎ問題は
- 定番商品を買う
- 値段とスペックで判断
のどちらかで解決します。
多くの人には、定番orコストパフォーマンスで選んで、そこから外れた製品はマニア向けに人気があるという感じです。
多くのラインナップを「コレとコレ何が違うんだろう?」と考えるよりも値段とスペックで2,3種類ピックアップしてその中でどれが一番好みか判断するぐらいがちょうど良さげです。
メーカーで選ぶという場合でも第一候補に挙がるぐらい、買って間違いないメーカーと言えるでしょう。