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一般的に、HDDの規格では、接続方式と大きさが決められています。
接続方式には、SATAとIDE規格があり、SATA同士、IDE同士は速度が違っても互換性があり、仮に互換性や認識に問題があっても、設定を見直せば接続できる場合があります。
また、大きさでは、デスクトップ用の3.5インチとノート用の2.5インチがほとんどですが、SATAとIDEは形自体が大幅に異なり互換性はありません。
<このページの目次>
一般的に、HDDの規格では、接続方式と大きさが決められています。
接続方式には、SATAとIDE規格があり、SATA同士、IDE同士は速度が違っても互換性があり、仮に互換性や認識に問題があっても、設定を見直せば接続できる場合があります。
また、大きさでは、デスクトップ用の3.5インチとノート用の2.5インチがほとんどですが、SATAとIDEは形自体が大幅に異なり互換性はありません。
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一般的に、HDDの規格では、接続方式と大きさが決められています。
接続方式では、現行の物がSerialATA(以下SATA)と昔の規格でUltraATA(IDEとも呼ぶ、以下IDE)があります。
SATAとIDEは形自体が大幅に異なり互換性がありません。
*上がSATAで下がIDEのドライブ、形は全く違う
SATAとIDEにはそれぞれ世代毎に速度差がありますが、SATA同士、IDE同士ならば下位互換があり接続することが可能です。
大きさでは、HDDは登場以来さまざまな大きさの製品がありましたが、現在パソコンで使われているのはデスクトップ用の3.5インチとノート用の2.5インチがほとんどです。
*左の小さいドライブが2.5インチ、右の大きいドライブが3.5インチ
この他小型機器用の1.8インチなどもあります。
SATAは、現行の規格がSATA3となっており、転送速度は6Gbpsです。
一つ前のSATA2もかなり多く、こちらは転送速度は3Gbpsとなっています。
最初期のものがSATA1で転送速度は1.5Gbpsです。
これらはすべて同じ形状で、それぞれ互換性があり、SATA2のポートにSATA3のHDDを接続するとSATA2の速度で動作します。
*SATA2の3.5インチHDD、ひとつ前の規格で数も多く出回っている
*SATA3の3.5インチHDD、現行の規格でSATA2と形はまったく同じ
ごくまれに、互換性の悪い組み合わせがあり、そういった場合はひとつ遅い速度で動作させて対応させることも可能です。
動作モードの変更は日立のHDDは専用のソフトで、SeagateとWesternDigitalのHDDはジャンパーピンで設定します。
注意が必要なのは日立のHDDで、専用ソフトを使わなくてはならないので、HDDを認識できる別のパソコンで接続、設定してからでないと使えないということになります。
他にHDDが認識できるパソコンがないなら、SATAポートを増設する拡張カードをHDDと一緒にパソコンに増設してしまうのも手です。
SATAポートはマザーボードにもよりますが、だいたい4〜8個あります。
IDEと違いマスター、スレーブの設定は必要ありませんが、どのポートにどのHDDを接続してるか把握しておかないとトラブルが起きた場合どのHDDに問題があるのかわからなくなる場合があります。
特に同じ型番のHDDを複数搭載している場合はややこしくなります。
ポート番号が若い順にドライブレターを設定するなど工夫して管理しましょう。
SATAのHDDとIDEのHDDは速度だけでなく機能にも差があります。
SATAのHDDではランダムアクセスを高速化するNQC(ネイティブキューコマンド)やパソコン起動中にHDDの取り付け、取り外しが可能になるホットスワップなどに対応しています。
これらの機能を有効にするには、BIOSやUEFIの設定でHDDモードをAHCIに設定する必要があります。
少し前までのパソコンではOSやその他のハードウェア、ソフトウェアとの互換性を取るために、これらのSATAのHDDが持つ機能を無効化したIDE互換モードが標準設定になっている場合があります。
*マザーボードのBIOS画面、上のSATA RAID/AHCI ModeをAHCIに設定している
このマザーの場合チップセットの設定はDisable(無効)とAHCIモード、RAIDモード
この他、下に別途チップが載っており、そちらはIDEモードとAHCIモードがある
WindowsVista/7だと、OS自体がAHCIに標準で対応しています。
*Windows7搭載のパソコンのBIOS画面、標準でAHCIに設定されている
このパソコンはAHCIモードとCompatibility(互換)モードがある
このようにIDE互換モードはマザーボードによって表記が異なる
Windows7で標準対応していないハードウェアでもOSインストール時にドライバをインストールすることでAHCIを活用できます。
Windows7が標準でインストールされているパソコンではだいたいがAHCIに設定された状態で販売されています。
面倒なのがWindowsXPの場合です、XPではOSインストール時にフロッピーディスクからAHCIのドライバーをインストールする必要があります。
あらかじめAHCIドライバインストール用のフロッピーディスクを作成しておかなければならず手順もややこしいのが難点です。
XPの場合は無理にAHCIを使わずに、多少性能は落ちでもIDE互換モードで使ってしまってもいいでしょう。
IDEはATA66/100/133とあり、後ろの数字は転送速度です。
ATA100が出た頃にIDEのままでは、速度の限界が見えてきたので、新たにSATAが登場しました。
IDEは速度に互換性があり、ATA100のポートにATA133のHDDを接続しても、ATA100として動作します。
また、IDEは1ポートに2つの機器を接続できますが、速度は遅い方に合わされます。
たとえば、ATA66のドライブと、ATA133のドライブを同じポートに接続すると両方ともATA66の速度で動作することになります。
*IDEケーブルコネクタが2つあり2台の機器を接続できる
特に光学ドライブとHDDを同じポートに接続してしまうとHDDはかなり遅い速度しか出ません。
IDEしかないパソコンにHDDを増設する場合は光学ドライブと同じポートに接続しないように注意しましょう。
また、IDEではポートに「プライマリ」と「セカンダリ」があり、さらに、それぞれのポートに「マスター」「スレーブ」の設定があります。
HDDや光学ドライブをポートにあった設定しないと正常に動作しません。
HDDにはラベルにジャンパーピンの設定方法が表記されているので、そのとおりに設定しましょう。
*IDEのHDDのラベル、ジャンパピンの設定が表記されている
IDEの機器は標準では自動で設定を認識する「ケーブルセレクト」や「マスター」に設定されています。
基本的にケーブルセレクトのままで問題ありませんが、うまく認識されないようであれば、設定しなおす必要があります。
*ラベルの表記にしたがってケーブルセレクトに設定、自動で認識する設定
自動認識できない場合や誤認識する場合は別途設定を
*ジャンパピンを外してマスターに設定、1台だけの場合もこの設定で
*ジャンパピンをスレーブに設定、2台目の場合はこの設定にする
HDDは発明された当初はかなりの大型の機械で、だんだん小型化が進み、現在ではデスクトップ用に3.5インチ、ノート用に2.5インチという大きさに落ち着いています。
*PCで使うのはほぼこのどちらかの大きさ
おそらく今後もこの3.5インチと2.5インチの大きさが主流のままでしょう。
デスクトップ用の3.5インチHDDは、もちろんケースの3.5インチシャドウベイに取り付けます。
ケースの3.5インチシャドウベイの大きさは当然3.5インチ幅なので、2.5インチのHDDは取り付けることができませんが、大きさを変換するマウンタを利用すれば2.5インチHDDも3.5インチベイに取り付けることが可能です。
*HDDに取り付けて大きさを変える変換マウンタ
*左がマウンタを取り付けて3.5インチに変換した2.5インチHDD
右の3.5インチHDDと同じ幅になった
この他にも、3.5インチHDDを変換マウンタで光学ドライブなどを取り付ける5インチベイに取り付けることなども可能です。
こういった変換マウンタを活用すれば、ケースのベイが足りない場合に、HDDを光学ドライブ用のベイに取り付けたり、パソコンの消費電力を減らすためにデスクトップでノート用のHDDを使用したりすることができます。
2.5インチのHDDでは厚みも重要なポイントとなります。
基本的にノートパソコンで使用されるHDDは2.5インチの9.5mm厚ですが、2.5インチHDDにはたまに省電力デスクトップ用などの12.5mm厚の製品があります。
3mmも厚くなると当然ノートパソコンには入らないので注意してください。
また、大きさによってネジ穴の位置も決まっています、3.5インチHDDは側面に6つと底面に4つの計10箇所、2.5インチHDDは側面に4つと底面に4つの計8箇所ネジ穴があります。
*3.5インチHDDの側面には3つずつ、両側に計6箇所の穴があいており通常はこのうち4箇所を使う
*裏面にもネジ穴が空いており、このネジ穴を使う場合もある
ケースや本体によって、どこのネジ穴を使うかは変わってきますが4箇所をネジ止めすることで固定されます。
SATAとIDEは形が違うため、互換性がありませんが、いくつかのメーカーから変換コネクタが販売されています。
*形の全く違うSATAとIDE
*IDEのHDDに変換コネクタを装着、SATA接続に変換された
IDEのHDDをSATAポートに接続するもの、SATAのHDDをIDEポートに接続するもの、その両方に対応しているものがあります。
当然ですが速度は遅いIDEの速度になります。
用途としては、古いHDDを新しいパソコンで使用する場合、古いパソコンにSATAのHDDを接続したい場合などに利用されます。
一時的にデータの以降をする場合にも便利で、新旧規格のHDDが多い場合はひとつあると重宝します。
*IDEからSATA、SATAからIDE両対応のコネクタ、ひとつあると便利
これらは変換基盤に各種コネクタついている構造で、基盤にのった変換チップにはフロッピードライブ用の電源コネクタやペリフェラル4ピン電源コネクタから給電されます。
HDDの電源とは別に基盤への電源が必要で、こういった変換コネクタを使うときは忘れがちなので注意しましょう。
HDDの接続規格や大きさについて説明しましたが要点をまとめると
・IDE同士は速度が違っても互換性がある
・SATA同士は速度が違っても互換性がある
・互換性や認識に問題があっても設定を見直せば接続できる場合がある
・うまく認識できない場合は拡張カードなどの導入
となります。
HDDは新しい規格が出てくると、ひとつ前の規格はすぐに姿を消しますが、SATA同士ならば下位互換があるので接続でき、互換性が悪い場合でもきちんと設定することで認識できる場合があります。
また、SATAの拡張カードやIDEからSATAへの変換コネクタなどを利用すれば「そのパソコンでは使えないHDD」も使えるようになります。
*SATAポートの拡張カードを使えばいざという時にも安心
また、大きさにしても同様で、小さいドライブを大きいベイに入れる分には変換マウンタで対応可能です。
万が一相性問題や互換性の問題があっても、こういった拡張カードや変換コネクタの類を利用すれば対応できることも多いので覚えておくとよいでしょう。