静音性に大きく関係する発熱と冷却性能

■パソコンはなぜ発熱するのか

パソコンが発する動作音の元は冷却機構から発生することが多いのですが、なぜ冷却する必要があるのか、なぜパソコンが発熱するのかをまずは最初から説明しましょう。

熱は物理的にはエネルギーの消費の際に発生します、パソコンは電気で動作するので、電気エネルギーを消費する際に発熱をするわけです。
高性能なパーツはより多く電気エネルギーを消費するため、より多くの発熱をします。

高性能なパーツほど発熱が大きいのはこういった原理であり、これがパソコンが発熱する仕組みです。

■冷却機構と排熱

電子部品は熱に弱く、温度が上がりすぎると正常に動作できなくなるため、発熱したら冷却しなくてはなりません。

放熱は基本的には、熱を空気中に拡散させることで、発熱が小さいパーツはそのまま熱が空中に放熱されますが、自然冷却で追いつかない場合はより効率的な冷却方法が必要になります。

パソコンではこの効率的な冷却機構を、放熱板を取り付けたヒートシンクと、空気の流れを作り熱を拡散、ケースの外へ放出するための冷却ファンを利用して作り出しています。

ヒートシンクは、熱量の大きいパーツに取り付けて熱を効率的に放出します。
ヒートシンクだけで足りない部分、CPUなどはヒートシンクにファンを取り付けてヒートシンクを冷却します。

これらの放熱だけでは、ケース内に熱が溜まるため、ケースファンを利用して外部に熱い吸気を排気し、外から新鮮な冷たい空気をケース内に吸気します。

これがパソコンの冷却機構です、自然放熱だけで冷却できるような発熱が小さいパソコン以外では、こういった冷却ファンを使った排熱構造は必要となります。

■冷却機構の性能と静音性

これらの冷却機構である、ヒートシンクとファンでパソコンの冷却性能は決定します。
ヒートシンクの性能はその面積と熱伝導率で決まり、大きくて熱が伝わりやすい素材ほど高性能なヒートシンクとなります。

ファンは、大きさ(厚みと口径)と回転数で風量が決まります。

静音性に関しては、ヒートシンクの冷却性能が高いほどファンの風量が少なくても冷却できるため、静音性が確保しやすくなります。
ファンは大きさ回転数で風量が決まりますが、同じ風量を確保するのならば、大きいファンをゆっくり回す方が騒音は小さくなります。

どちらにも共通しているのは、大きいほど性能が上がり、静音化しやすいという点です。
大きなヒートシンクに大きなファンを組み合わせれば冷却性能を保ちつつ静音性を高めることができます。

大きいケースが静かにしやすいというのは、熱量の余裕の他に、こういった大きな冷却機構を組み込める点も理由のひとつです。

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